嫌われ者なあの子に仕方ないから姫の座、譲りました。 (ページ20)

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17話ページ20

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「わ～、綺麗。」

夜の公演に向けてドレスアップをするから

来て欲しいと真奈ちゃんから呼び出しを受け

私は真奈ちゃんの部屋。元、私の部屋へ向かった。長い渡り廊下から覗く庭は昨日の騒ぎが嘘だったように綺麗に片付いており、それどころか来客用に数々の色とりどりにイルミネーションが飾られている。

「真奈、お定規が悪いわよ。」

真奈ちゃんの部屋からは外が見えるようで

そこから見える海が綺麗なようだ。

ティーをしながら後ろを見て新鮮そうに

空を見上げる彼女は、圧倒的ヒロインな

顔や口調で。女優も顔負けするほどだ。

「…はぁ、ずっと思ってたけど
Aって凄いババくさいんだよね～！」

急に嫌味を言い出した真奈ちゃんにまたかと
肩を落とす。

「そうですか、はい。これ」

そんな彼女をスルーして、マカロンを乗せた皿を彼女の手前に置く。

「…ねぇ。」

そのマカロンを手に取ることなく、俯いて私に声をかける真奈ちゃんは少し寂しそうで。

「なあに？」

そんな彼女を思って、私は少し
優しく答えた。

「昨日のこと、怒ってないの…？」

控えめに私に言う真奈ちゃんにくすっと
笑った。

「怒ってるわよ。」

うそ、本当は全然気にしていない。

過去にそれより酷いことをされてきたから。

「……あっそ。」

聞くだけ聞いて、謝らない真奈ちゃんは

真奈ちゃんらしい。彼女なりの

謝罪だと受け止めて私は紅茶をかき回す。

マカロンをはふはふと食べる真奈ちゃんが私の方を見て「はやく髪の毛セットして」と言うので、私は渋々席を立ち、真奈ちゃん専用のメイクミラーへ移動し、準備を始めた。

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