７話 ページ7
こんな朝から知らない番号…
そう思い戸惑っていると電話は切れ部屋は静まり返った。
スマホをテーブルに置きソファーに座り直す。
腰が…だるい…
まぎれもなく現実を思い知らされているようだった。
こんな事誰にも言えないよ…
とにかく櫻井さんにはなるべく関わらないようにしよう。
そう心に決めた瞬間、またスマホが鳴りだした。
画面をみるとさっきの番号。
通話をタップする。
主「もしもし…」
━ …。はぁ〜。━
主「・・・もしもし？」
━ …。おっせーんだよ！━
主「・・・はい？」
━ 電話。 出るの遅すぎ。何回かけたと思ってんだよ━
主「…あの…どなたですか？」
━ …はぁ〜。 …櫻井です━
主「・・・櫻井？…」
━ マジで？ わっかんねーの？━
主「・・・え！？…ま、さか・・・」
━ 昨夜熱い夜を過ごした櫻井ですが？━
嘘でしょ…。 もう関わらないようにしようと思ってたのに…なんで…
主「え…？ な、んで番号…？」
━ んな事より、何勝手に帰ってるんだよ━
主「…や。あの、その。昨日の事は、その、よく覚えてなくて…」
━ は？ んでさっさと帰る訳？━
主「…や。あの、ほんとなんて言ったらいいか…なんですが…なかった事に…」
━ はぁ？ あ、そう。オレは別にいいけど…━
主「ホントですか？」
━ ああ。だけどここにあんたの忘れ物あんだよね━
主「え？ 忘れ物？」
━ そ。どうする？ これないと困んじゃね？━
主「え？ 何？」
━ パスカード…━
主「え！？」
慌ててカバンを漁る。
ない。…ない…社員証兼パスカードが…ない！！
主「なんで…櫻井さんが？」
━ 部屋に落ちてた。カバン拾った時に落ちたんじゃね？━
パスがないと会社に入れないしロッカーも開けられない…
━ あ〜。斗真にでも渡しとく？━
主「あ。…そうです…ね」
━ まあ、斗真になんでオレが持ってるのか聞かれるかもしれないけど━
主「…え？それって昨日の事を話すってこと？」
━ 聞かれれば答えない訳にもいかないからね━
主「や。それは…ちょっと…」
━ そ？ じゃどうする？ 取りくる、しかないよね？━
そんな…。また行くなんて…嘘でしょ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 865人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：笹栗
| 作成日時：2015年9月1日 20時
