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２９話 ページ29
広報部のある一つ下のフロアに階段で向かっているとスマホが鳴る。
みると彼からのラインで広報フロアにあるたくさんの会議室の中の一つにくるよう書いてありそこへ向かう。
彼と久々にちゃんと会う事に緊張しているのか指定された会議室のドアの前で大きく息を吸い込んだ。
ノックをしてみるが返事はない。
ドアを開け中に入ると人の気配はなく待つ事にする。
勝手に座るのも気が引けて窓際で外の景色を見ていた。
夏が終わりすっかり秋になり木々も黄色く色が変わっている。
久々にゆっくり外の景色を見た気がする。
そんな事を思っていたらガチャっとドアの開く音がして私は振り返った。
グレーのスーツ姿の彼が入ってきて一瞬ドキッとした。
櫻井「わりぃ〜。待たせた？」
くだけた喋り方とスーツ姿のギャップに思わず頬が緩んだ。
主「いえ。 少し前にきたとこです」
櫻井さんが椅子をひいて座った向かいの席に私も腰かけた。
櫻井「…久しぶり」
大きな瞳で爽やかに微笑みながらそう言った櫻井さんに胸がキュンとなる。
…これは仕事…これは仕事…
心の中で言い聞かせて深呼吸してから返事をした。
主「…はい。 久しぶりです…」
櫻井「マジヤバいんだけど〜 忙しすぎて〜」
主「ですね… まだもうしばらく激務は続きそうです」
櫻井「だな〜・・・。 さ、やるか」
その言葉を合図に修正案の話になり滞りなく話は進んだ。
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櫻井「・・・って事でよろしくお願いします」
主「わかりました。この案でプランナーさんに詰めにはいってもらいます」
櫻井「・・・よし！ 仕事の話は終わったな！」
そう言うと櫻井さんは席を立ちドアに向かい歩いて行ったので慌てて私も後に続いた。
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作者名：笹栗
| 作成日時：2015年9月1日 20時
