今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:19,249 hit
小｜中｜大
８７ ページ41
箕浦の言葉に乱歩の後ろに隠れていた敦が
え？という声を上げ、顔を出す
乱歩の顔は先程の可笑しそうな顔とは打って変わって
真剣そのものとなった
ブルーシートを他の警察官の人が捲る
其処には女性の遺体があった
遺体の損傷は少なく
其の女性はメイクをしておらず
左手には海外ブランドの時計を付けていた
一番目を引くのは胸に撃たれた
三つの弾丸の穴だった
乱歩はご婦人か…と云って
帽子を胸の前にやる
Aは口を押さえていた敦に
先程買った水を渡して
空いた左手を胸の前にやる
敦は少し離れた処に行き
受け取った水を飲んで
落ち着いたのか帰ってきた
「今朝、川を流されているところを発見されました」
箕浦の隣にいた若い警察官がそう話す
箕浦「胸部を銃で三発
殺害現場も時刻も不明
弾丸すら発見できない」
乱歩「犯人の目星は？」
箕浦「わからん、職場での様を見ていた限りでは
特定の交際相手もいなかった様だ」
乱歩「其れってさあ、何も判ってないって云わない？」
帽子を被りなおし乍ら笑ってそう云った
箕浦の目が少し鋭くなった
如何やら癇に障ったらしい
箕浦「だからこそ、素人上がりの探偵などに任せられん」
『人は誰しも始めは素人ですよ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月夜のジョバンニ | 作成日時：2021年12月6日 0時
