６７ ページ21
芥川「弱者の戯言か、貴様など如何でも良いのだ…
僕らの目的は人虎
異能力【羅生門】！」
芥川の周りに赤い文字列が浮かび上がる
芥川の着ていた外套が黒獣のようになり
Aと敦の間の地面を削った
芥川「勿論今のは態と外した
だが僕の“羅生門”は悪食、凡るモノを喰らう
生け捕りが目的だが抵抗するならば
次は人虎の脚を奪う」
敦「何故、如何して僕が…」
敦の顔は未だに恐怖と絶望の儘だった
身体は震え其の場から動くことが出来ないかのようだった
A(矢張り私の言葉では、敦さんを救うのは無理そうですね)
谷崎「あ、敦君…逃げろ、敦君」
今にも消え入りそうな声で谷崎が云う
敦は何かを考えるように下を向き
決心したように芥川の方へ走っていく
芥川「玉砕か、つまらぬ」
そう云って“羅生門”は敦の頭を目掛けて喰いかかる
敦は其れをスライディングで避け芥川の後ろまで行き
落ちていた連射銃を拾い芥川目掛けて撃った
が、芥川は何の抵抗もなく其れを受け
微動だにしなかった
すると、芥川の外套が揺らめき黒獣となる
銃弾が芥川の足元にバラバラと落ちた
芥川「今の動きは中々良かった
然し所詮は愚者の蛮勇…
云っただろう、僕の黒獣は悪食
凡るモノを喰らう、仮令其れが
“空間そのもの”であっても」
そう云って芥川は顔だけ敦の方を向く
黒獣の前には空間が揺らめいているように見えた
芥川「銃弾が飛来し着弾するまでの空間を一部削った
槍も炎も空間が途切れれば僕まで届かぬと道理」
敦の顔がまたも絶望に染まる
芥川「そして、僕…約束は守る」
黒獣が敦の右足を食い千切った
敦は突然の事に思考が止まり
激しい痛みに絶叫した
芥川は静かに二度咳をした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月夜のジョバンニ | 作成日時：2021年12月6日 0時
