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敦は流れていた太宰を引き上げた
大の男を其れも水を沢山含んだ服を着た男を、だ
水を少し飲んだのか唯単に疲れたのかは分からないが
敦は少し咳込み太宰をチラリと見た
太宰はパチリと目を覚まし、体を起こした
敦「川に流されてましたけど、大丈夫ですか?」
敦は太宰を見詰めながら少し苦しそうに言った
先刻迄大の男を連れ泳いでいたのだ
無理もない
太宰「助かったか
………………ちぇっ」
敦(「ちぇっ」つったかこの人!?)
敦は信じられない物を見たかのように太宰を見る
太宰「君かい。私の入水を邪魔したのは」
太宰は敦に気付きそう云う
敦「邪魔なんて!僕はただ助けようと!
…入水?」
太宰「知らんかね、入水
つまり自'殺だよ」
敦「は?」
敦の顔が困惑に染まる
助けた相手からいきなり
"自'殺"という言葉が出てくれば仕方ないだろう
太宰「私は'殺しようとしていたのだよ
それを君が余計なことを…」ブツブツ
敦「は……はあ」
敦(あれ?僕いま怒られてる?)
困惑の色が深くなる
A(あれ?私若しかして空気です?)
Aは其の光景を屈んだ体勢で見ていた
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作者名:月夜のジョバンニ | 作成日時:2021年11月29日 19時