怯える夜と勇ましき鈴

8話 ページ9

鈴国=御主人様です！
夜鈴=僕(忍び)です！





今、どんな体制なんだろう

考えていると、頭がぐらぐら揺れて気を失いかけた

「ほら、頭をあまり揺らすな。俺に寄りかかっておけ」

そう言って抱き寄せられた



御侍様の胸の中は暖かくて、いつの間にか眠ってしまった





ハッ、と目を覚ませば、上に見えたのは天井

「ここ、どこ・・・？」

「近江国。俺の友人の城だ」

ゆうじん・・・誰だろう。近江国なら豊臣秀吉公に仕えている三成殿が居る

だが、三成殿の友人ともあろう人が他国の忍びを容易く入れる物か

「鈴国、忍びは目を覚ましたか」

人が来た・・・まさかな、そんなはずは

「佐吉！一言断らぬか・・・・」

「佐吉と呼ぶなと・・・まぁ良い。おぬしはまた拾い物をしたのか？この間は犬であったな」

・・・佐吉・・・三成殿の幼名・・・あぁ、頭が痛く・・・速く逃げた方が身のためだな

「忍び、鈴国に拾われたが運の尽き。おぬしは鈴国の忍びになるしか生きる道はあるまいて。生きる道を教えることがわしに出来るせめてもの情けよ」

三成様は何とも情け深いお方でした。御侍様が怪しい笑みを浮かべておりまする

「ｯ・・・す、鈴国様の元で仕えさせて頂けませぬか・・・？」

「その言葉！待っておったぞ！是非、受け入れさせて頂こう！」

「鈴国・・・忍びに情が沸いてきたではないか。忍び、鈴国の元での働き、期待しておるぞ」

「三成様、その期待に応えれるよう、尽力させて頂きます」







これが俺と御主人様、鈴国様との出会いだ

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