怯える夜と勇ましき鈴

11話 ページ12

元来、内府殿は苦手であった

そんなこと、口にすることなどできはしない

だが、思うことぐらいは忍であれど許して貰えるだろう

三成様に、内府殿の動向を報告しなければ

いま、この天下は豊臣の物ではなくなろうとしている

早に、止めなければ

思いだけが募る

〜1599〜
内府殿は太閤殿下の遺命に背き、豊臣家の譜代大名らとの婚姻関係を次々と結び始めた

前田殿と三成様は内府殿に敵対。御主人様は三成様と同じく内府殿に敵対する、『文治派』になる

そんな中、利家殿が亡くなられた

前田殿が亡くなられて、内府殿の悪行が悪化し、内府殿率いる『武断派』七将により、三成様襲撃事件が起きた。その場に鈴國様もいらっしゃり、俺は鈴國様の御傍に控えていた

俺は鈴國様を守ることに精いっぱいだった

三成様は佐竹殿に救出された

今、三成様と鈴国様は内府殿の屋敷にある三成様の屋敷にいる。かくいう俺もそうだ

俺は三成様を守ることができなかったことの罰を受けるために、三成様の自室にいる

「三成様を守ることができず申し訳が立ちませぬ・・・どのような罰も受けられる覚悟にて。何なりとお申し付けして頂きたく」

「おぬしが頭を垂れる必要はない。もとはといえば太閤殿下の御遺志に背いた内府殿が悪いのだ」

「ですが・・・」

「おぬしはそれほどまでに罰を受けたいのか？ならば俺に考えがある。今宵、女の姿をして儂の部屋に来い」

怒らせて、しまった

あぁ、これでは本当に首が飛ぶやも知れぬ。鈴国様に御礼を言わねば








しかし、何故女の姿で行かねばならないのだろうか

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