雄英脱出【死柄木弔】 (ページ8)

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確信ページ8

バスが出発するギリギリに切島は現れた。もちろん怒られていたのでその後はいつもよりかは静かにしていた。らしくないので気持ち悪かったが、うるさくないのは素晴らしい。

俺は一番奥の端っこで寝たふりをしてやり過ごそうとしたが正義感の塊達は俺をほっといてくれなかった。ひとつ前の席のばくごーが俺を睨みつけてくるもんだから目立ってしまったのだ。

そのため俺はヒーロー志望に押されまくり質問攻めにあいでげっそりしている。俺は切島がどれほど扱いやすい人間か痛感した。うるさいのは困るが俺のことは聞いてこないヤツは貴重だ。

切「いや、USJかよ！！？クソ広いぞ彩人！！」

すっかり元気なんだな。やっぱうるせえ。

切島には悪いが、USJなんて名前しか聞いたことないからこれの凄さがよくわからない。校舎の方が広いし、アトラクションの種類より生徒の個性の方が多様だ。

　「どーでもいい」

切「耳ほじってんじゃねえぞ！！」

相澤センセーの睨みがこちらに効いたので目を逸らした。切島もでしゃばりすぎたのを自負しているようなのでシュンとしてた。

それからは10何号のアリガターイ話を聞いて適当な拍手を送る。話の内容はよく理解できなかった。話は1分にまとめるべきだ。ほら、相澤センセーも耳ほじってる。←

切「ん？なんだあれ」

拍手喝采のこの空間にそろそろ胸焼けがしてきたところになにやら悪寒。心地よい寒さが背中を撫でた。

相「ひとかたまりになって動くな！！！」

黒い霧がもやもやと立ちこむ。あれ、どこかで見たことがある気がする。黒い霧、黒い霧…

　「！！！」

あの人だ…！！！

相「あれは、ヴィランだ！！」

自然と頬が緩んだ。