慌ただしい日 ページ2
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...ジリリリリリ
耳を突き抜ける音量の目覚まし時計を
手のひらでなだめる
AM5:00
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まだ薄暗いのは
きっと空にかかった厚い雲のせい
私には輝く毎日の始まりで
傘に当たる雨でさえ祝福の声に聞こえた
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市場からお花が届いて
所定の位置にお花をセットしていく
天井からは
ドライフラワーを下げて
照明の位置を調節する
.....完璧な朝
AM9:00
少しずつ雨も止んで
お店の扉を開ける
"bonds"
お店の看板を出したところで
改めていい名前だと自負するけど
私にはそんな時間なんかなかった
お店のリボン類を整理しながら
発注書を作る
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「...すみませーん」
A「あっ!はーい!」
お店の前に佇む1人の男性
A「いらっしゃいませ!」
「あのー…妻に…」
シルバーヘアが美しいその男性は
照れ臭そうに後ろ頭を触りながら言った
A「..フフッ...わかりました!
奥様のこと、少しお尋ねしてもよろしいですか?」
「妻は私を残して先に行ってしまいました…ー」
そう告げると
和やかな表情を見せながら
奥様の話を聞かせてくれる
A「でしたら…
こちらのミニブーケでよろしいですか?」
「あぁ…綺麗だ。
妻もそんな綺麗な女性だったー…」
薄紅色のラナンキュラスと
白いダリアに
ユーカリをあしらったミニブーケ
飾らない美しさで
豊かな愛情を持ち
ずっと思い出に残るような女性
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ミニブーケを持って
杖をつき
嬉しそうに帰っていく
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ホッとひと息つく間も無く
物珍しいのか
次々にやって来るお客様は
みんな幸せに満ち溢れていた
PM6:07
A「ありがとうございました!」
今日最後の笑顔を見送るころには
地面も乾ききっていた
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ラッキーアイテム
アヒージョ
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:もんきち | 作成日時:2018年7月9日 4時