第四十七話「蜘蛛」 ページ5
．
微笑む私を見て男が
静かに「そうだな」と呟いた。
男が言った。
「君の…名は？」
『Aです。』
「Aか。私は、クラピカだ。」
『…クラピカ？』
「あぁ。」
男は、そう答え少しだけ微笑んだ。
その微笑みに、どこか優しさを感じた気がした。
私は、ある事を思い出す。
『そういえば、急いでいると言ってましたが』
私が、そう聞いた瞬間。
男の表情が強ばった気がした。
「…私には、やらなければいけない事がある」
そう言った男の表情は、どこか憎しみに満ちていて、また少しどこか悲しそうに見えた。
…やらなければいけない事。
『それは、なんですか？』
「仲間の敵討ち」
男の髪が、夜風に軽く吹かれる。
その髪の隙間から見えた眼が、一瞬。
赤く光ったような気がした。
敵討ち。それは、殺されてしまった仲間の…？
「あいつらを…この手で」
そう小さく呟いた男の声は、
憎しみ。恨み。それ以上でもそれ以下でもない。
『それは、何者なのですか？』
言葉にした後に、私は後悔した。
何故だろう。その先を、
決して聞いては、いけない気がしたんだ。
「…蜘蛛だ。」
男の眼が赤く光る。今度は、一瞬じゃない。
男は鎖のついた手で半分片目を覆う。
そしてその眼を見た私は
決して「綺麗」だなんて思わなかった。
『…蜘蛛。』
その言葉に、忘れていた記憶がよみがえる。
紙に写った七名の男女。
仲間じゃないのか？と言われた時の冷たさ。
あの時の空気の重さ。
幻影旅団…蜘蛛と言われた言葉。
フェイタンの蜘蛛の刺青。
そして、男の「蜘蛛」という言葉への憎しみ。
全てが繋がっている気がした。
でも私は疑いたくないんだ。信じたいんだ。
この目で、この耳で、確かめるまでは。絶対に。
フェイタン達と出会えた事で
私は寂しさを感じなくなっていた。
両親がくれた暖かさを
またどこかで感じれた気がした。
もう、その暖かさを失いたくない。
今度は私が、誰かを暖める事が出来るのなら
私はずっとその人の
________そばに居てあげたい。
どんな運命が待っていようと、
最後まで
信じていたい。
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じゅな(プロフ) - ずっと待ってます！ゆっくりでもいいので更新してくださると嬉しいです！ (4月18日 17時) (
レス) id: 63d6ee7837 (このIDを非表示/違反報告)
あ3 - 更新楽しみにしてます､､､､めちゃ好きです (2022年11月1日 16時) (レス) id: b2be5c4b6e (このIDを非表示/違反報告)
キエラ(プロフ) - 久しぶりに見に来たら更新されてて泣きました(´；ω；｀)これからも更新楽しみにしてます...！ (2021年12月16日 20時) (レス) @page44 id: cdb417a741 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - ナルアさん» ナルアさん…！本当にお久しぶりです！ずっと待たせてしまって本当にごめんなさい ; ; いつもコメントしてくださって本当に支えられています…！そう言っていただけて本当に嬉しいです！ずっと待ってくださっていて本当にありがとうございます！これから頑張ります！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - 名無し76544号さん» 優しいお言葉に本当に心が暖かくなって小説も書こうって思わせていただけます！本当にありがとうございます！少しでも幸せが訪れますようにっ！最近寒くなってきましたので、お体に気をつけてくださいね！更新頑張っていきますね！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikan | 作成日時：2020年10月4日 13時
