False Love 1 -F.T-

不細工なネギ 藤ヶ谷side ページ12

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横尾｢うわぁ…風も強くなってきた｣



太輔｢傘無いな…｣



横尾｢太輔買い物は？｣



太輔｢この辺ではないけど...｣



横尾｢じゃ、駐車場まで走るか！｣




雨のせいですっかり人のいなくなった通りを

小走りで駆け抜ける


服も髪も結構濡れたから

比較的近い俺の家に渉が来ることになった




横尾｢おじゃましま〜す｣



太輔｢その辺、座ってて｣




...洗濯物、ビチャビチャだ..



洗濯機に戻してもう一度洗濯する





横尾｢...あれ？太輔、一緒に住んでた彼女は？｣





リビングから聞こえた声に

出来るだけ普通のトーンで答える





太輔｢出ていったよ｣




横尾｢そっか...なんかごめんな

あ、明日BUSAIKU収録9時からだったよね？｣



太輔｢うん、もう間違えるなよ(笑)｣









渉は深くは聞かないけど


俺には1ヶ月前まで同棲してる彼女がいた



でもパタッと帰ってこなくなって


別れを告げられたのは翌日、電話でだった。




｢太ちゃんのこと、嫌いになった訳じゃない

でもね、別れてほしいの...｣




泣きながらの電話に

別れ話を止める勇気もなくて


それぞれの道を歩きだして1週間後




さすがにまだ立ち直れてない

撮影帰り

信号待ちの車の中から見えたのは




男と手を繋いでイチャイチャしながら

幸せそうに歩く姿で




その瞬間に

俺の中にあった


"もしかしたら戻れるチャンスはあるかも"


っていう少しの期待が

バラバラに割れて散った






.







横尾｢あああ〜落ち着くな〜

でも、帰らないと…｣



ソファに寝転がって伸びをした渉は

乾かしてあった上着をハンガーからとって

玄関に向かう




太輔｢じゃあな、絶対明日間違えんなよ！｣



横尾｢うるせ〜な(笑)

今日はありがと。じゃあな｣



渉が帰ると

玄関のカギを閉めて


今日の夕飯作りに取り掛かる



...苦手なんだよな..料理




ネギを刻んだものの

ちょっと不細工で


結局今日も即席ラーメン


不細工なネギをちらした

キャベツラーメンにして


テレビを見ながら食べる




｢郵便物がたまってると、

犯罪にあいやすいんですよ｣


｢へぇ…｣


｢私ヤバいかも〜たまりやすいんですよ〜｣





そういえば、

そろそろ郵便物取りに行かなきゃな..









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