教授×助手５３ ページ7
…あれ？さっきまですごく寒かったのに…暖かくて気持ちいい。
体の中から温泉が湧いてるみたい…。
これは夢？
まだベッドの中にいるのかな？
早く起きなきゃ。
今日は午前中、魔法薬学の授業だったよね？
スネイプ教授…まだ怒ってるかな？
早く教授に会って、私の特別は教授だって言わなきゃ…。
ずっと守るからね…もう大丈夫…。
腕に強く抱きしめた冷たい体が突然熱を帯び始めた。
驚いたスネイプはAの顔を凝視する。
頬は桜色に染まり、唇も赤く色づいている。
「…A？」
Aがゆっくりと目を開けて、スネイプを見る。
その瞳はいつもの色ではなく、紫色に輝いている。
普段から美しいAの人外じみたその美貌に鳥肌が立つ。
Aは妖艶な笑みを浮かべながらゆっくりと両手をスネイプに巻きつけると、甘えるように顔を寄せ、スネイプの頬に自分の頬を擦り寄せた。
…突然、Aが体を離す。
今度は何事かとスネイプは声も出せず固まった。
「教授！！！」
いつものAが目の前にいる。
「スネイプ教授！！怪我はありませんか？！」
両手でスネイプの胸元のローブを掴んで、顔面蒼白な彼女は、いつもの真っ黒な瞳で短い黒髪は乱れ土と枝が付いている。
スネイプが何か答えようとした途端、今度はハッと思い出したように後ろを振り返るA。
「ルーピン教授！！！！」
Aはスネイプを無視し、少し先に倒れているルーピンの元へ駆け出した。
「目を開けてください！ルーピン教授！」
小柄なAがルーピンに覆いかぶさる。
「…教授！私、ルーピン教授を殺してしまいました！！！！」
顔を上げたAの目から大粒の涙がボタボタと溢れ出した。
こんな状態なのに、何とも間の抜けたAの行動がおかしくて笑いそうになる。
殺してしまいました…いや、勝手に殺すな…どう見ても生きているだろう…。
スネイプは二人の元に歩いて行くと、号泣するAを押しのけてルーピンの首筋に手を当てた。
「泣くな。医務室に運ぶ。」
「…へっ？生きてますか？」
「勝手に殺してやるな。」
Aはゴシゴシと涙を拭うとルーピンの頬を優しく撫ぜた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツクモハヤト(プロフ) - 龍様はじめまして。コメントありがとうございます（＾＾）とても励みになります！がんばります！ (2019年8月13日 8時) (
レス) id: 024c6d9776 (このIDを非表示/違反報告)
龍 - 毎回楽しませてもらってます！無理せず頑張ってくださいね(っ`･ω･´)っこれからも応援してます！！！ (2019年8月12日 20時) (レス) id: 8050ad1e10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツクモハヤト | 作成日時：2019年8月3日 16時
