教授×助手７６ ページ33
クリーチャーに入れさせた紅茶を飲みながら読書をしていたシリウスの目の端に白いものが映る。
「んっ？」
閉じたカーテンとカーテンの隙間が3センチほど開いていて、そこに何か白いものがチラチラ蠢いていた。
近寄ってカーテンを開ける。
窓に人の形をした白い紙が張り付き、時折クルっとその身を回転させていた。
「なんだこいつ？！」
窓を少し開けると、隙間からピュっとヒトガタが入ってきて、シリウスの顔の前にピタリと静止した。
『こんばんは。お髭が紅茶で濡れています。』
白いヒトガタの胴体部分に赤いインクの文字が浮かぶ。
びっくりして口を拭うと、文字は消え次の文章が浮かんできた。
『ルーピン教授に言わず、直接連絡くれればいいのに。』
「A！」
シリウスは顔をくしゃくしゃさせて笑う。
『何か話しかけてみて。』
【A、君は面白いことができるんだな】
ベッドに座るAの目の前のヒトガタに赤い文字が浮かぶ。
シリウスからのメッセージだ。
どうやら無事、飛ばしたヒトガタはブラック家にたどり着けたようだ。
『今週末は部屋の片付け。片付けは嫌い。』
【そんなことやめて遊びに行こう】
『クディッチ観戦はどう？』
【クディッチに興味が？】
『見るよりする方が好き』
シリウスはヒトガタに浮かぶ文字を見て声を出して笑った。
本当にAは少年のようだ。
【君と会えるのを楽しみにしている】
『ラフな格好で来てね』
【了解】
『ヒトガタはそのままで。おやすみなさい』
文字の消えたヒトガタが、ふわりとシリウスの体の周りを回り出した。
頭からつま先まで体全体をなぞるように飛んでいく。
その姿が可愛らしくて、シリウスは笑いながらヒトガタを目で追う。
満足したヒトガタはいちどピタリと止まって一回転した後、部屋の中から外の闇へと消えてしまった。
シリウスはおおきく窓を開けて、清々しい気分で夜空を見つめた。
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ツクモハヤト(プロフ) - 龍様はじめまして。コメントありがとうございます（＾＾）とても励みになります！がんばります！ (2019年8月13日 8時) (
レス) id: 024c6d9776 (このIDを非表示/違反報告)
龍 - 毎回楽しませてもらってます！無理せず頑張ってくださいね(っ`･ω･´)っこれからも応援してます！！！ (2019年8月12日 20時) (レス) id: 8050ad1e10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツクモハヤト | 作成日時：2019年8月3日 16時
