【声優】元メイドは家政婦になりました。

1.事の始まり。 ページ3

ある日、私は旦那様の部屋に呼ばれた。


『旦那様、お呼びでしょうか？』


旦那様は、とてもお優しい方であります。
きっと、道に捨てられていた子猫を拾ってきたのではないんでしょうか？


「あぁ、実は君に頼みたいことがあるんだ。」


『なんでしょうか？』


旦那様は、机の引き出しから一枚の紙を出し、私に渡した。

そこには、豪華な家の写真と間取りがあった。


「ココの家政婦になってくれないかね？」


一言でいうと、理解不能。
ひとまず、返事を返さなければ。


『………どういうことでしょうか？』


「実はね、君は何年もこの屋敷で頑張って働いてくれて、実に優秀だ。

そんなわけで、
ココの家政婦になってくれないかね？」


ニコニコと笑みを絶やしながら、私に問いかけてくる旦那様。


『これは、旦那様たってのご希望ですか？』


「まぁ、半分以上はあちら側が申しているんだがね。いい経験になると思うんだが……。」


あんな風に言われたら、やる気が沸いてきて、つい言ってしまった。


『承知致しました。』


「じゃあ、早速明日から行ってくれ。

本当に今日まで
この屋敷に長年勤めてくれて、ありがとう。」

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