You and Me

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「颯は決めたの？」

「うん」




どこ行くんだろう。

地元の大学？
それとも開成から東大のエリート街道に進んじゃうの？



颯は頭がいいから。

いつもそんなことないって言うけど、開成の中でもずば抜けて頭がよくって、この前も高校生クイズの選抜になってたくらいなのに。




「どこ...行くの」




嫌な予感ほど、毎回当たる。




「東大」




颯ならきっと行けるよって、言えばいいのに、
わたしは言えなかった。




「...そうなんだ...」

「Aは文系？」

「たぶん」




いつからか気づいてたんだろう。
ずっと颯のそばにいられるわけじゃないって。


それでも、颯の“トクベツ”になりたかった。




「颯はわたしのこと好き？」

「...なにいきなり」

「さっき...、...キスしたから」

「ごめん、」




どうして謝るの？

ほんとうに言いたいことは喉にひっかかったまんま。




「あれ忘れて」




忘れたくても忘れられないよ。



一瞬だけ溶けたくちびるの感触
颯の瞳に映るわたしの顔
甘い吐息



忘れるなんて、できないよ。






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