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メモを片手に、僕は古びた店の前に立っていた。
あれから家に戻り硬いフローリングの上で夜を過ごし(全く寝れなかった!)、夜が明けた。
痛む体をむりやり動かしここへ来たのは理由がある。
きのう、俺によくしてくれたジェイという人が親切にも、どの派閥にも属さない人が集い、情報交換や仕事の斡旋などを行う場所を教えてくれたのだ。
俺は生粋のRPGファンであるので、少し失礼ではあるがギルドみたいでわくわくしている。
だが地図の通り、妙に見慣れた景色を進むにつれて、なんだか怪しいぞという思いが抑えきれなくなってきた。
通りの道はしばらく手入れされていないみたいにひびが入り放題(アレルギーの出る人への配慮からか、雑草だけがきれいに抜き取られている)、壁は抉れ放題、窓ガラスは割れ放題段ボール張り放題である。俺の理想のファンタジーギルドが崩れる音が聞こえてきそうだ。
しかも、ついた場所……と思しき場所はおよそ何かがあるような場所ではなかった。
なんと広場のど真ん中である。この地図適当すぎるよジェイさん! そう叫びたい気持ちを抑えて、改めて地図に目を通す。
よく見ると裏面があることを示す矢印が隅っこにあるのがわかった。
俺の不注意のせいで抜けてる人みたいになってしまったジェイさんに謝罪しつつ、紙をひっくり返すと、『噴水に向かって合言葉:ピース・オブ・ケーキ』とだけ書いてある。
確かに、噴水はあるのだ。あるのだが……
「どの噴水だろう…」
前方左右に一つづつ、後方左右に一つづつ、合計四つの噴水。
地図を舐めるように見ても、もうヒントらしきものはない。
どうやら、ジェイさんは抜けている人だったようだ。
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さらしま(プロフ) - 桜@黒猫トレノさん» ありがとうございます!そういって頂けてとても嬉しいです。これからも頑張りますね! (2017年1月15日 14時) (レス) id: 645ea5c271 (このIDを非表示/違反報告)
桜@黒猫トレノ(プロフ) - 面白いです! 主人公の軽い語り口がとても好きです! 更新頑張ってください! (2017年1月15日 14時) (レス) id: 8780428b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さらしま | 作成日時:2017年1月10日 20時