【ヒプノシスマイク】会員番号＃001＿その２【白膠木簓】

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Side,A

　さて、ヲタクというものは愛しいと言う感情が極限まで達すると、一周回って無感情になれるらしい。


「……恰好よ……っ……」


　部屋のカーテンを閉め切り、私は身悶えしていた。

　簓さんのオーダーメイドスーツ、格好良すぎる。格好良すぎて、そろそろ体中の穴から血が噴き出て、失血しそうなんですが。タスケテ。白膠木簓、マジ格好いい。今すぐ、他人の携帯に撮りためてしまった簓さんの自撮りをSNSにあげてしまいたい。格好良い。色気すごい。全人類が認識すべき格好良さ。もう、白膠木簓しか勝たん……。
　さすがに自重して、自分の携帯へと添付するに留めておく。


「え、腹筋すご。カッコイイ」


　もはや口から「格好いい」と「白膠木簓」という単語しか出てこない。これだけで世界って構成できないのかな()

　ここで誰か来たら、簓さんがとんだ変態に思われてしまうなー、なんて考えながら、ダジャレが書かれたクソださいTシャツへと着替える。
　……なんで灰色のゆるゆるスウェットすら似合うんだ。え？年齢制限掛かるんじゃない？

　もうだめだ、白膠木簓のすべてに腹が立ってきた。

　簓さんの家のインターホンが鳴り、私は適当に洋服を片付けてから応答する。


「あ、簓か？ちょっと早いけど、来てしもた。大丈夫やんな？」


　インターホンに映っていたのは、丸眼鏡をかけて天使の笑みを浮かべる簓さんの元相方・躑躅森盧笙。尊すぎて、彼が目に入った途端に叫んでいた。


「生まれてきてくれてありがとうございます」
「え、怖」


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