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 会場に行くと、いつもよりずっと綺麗な小鳥遊さんがいた。別に服装や化粧はいつもと変わらないのに、なぜだろう。首を傾げれば、「吹っ切れたからね」と素敵な笑顔で返された。

 私と小鳥遊さんは会場の設営を終えると、奥の方で次々と運ばれてくる洗い物を手伝っていた。

 お祝い会には部署を問わず沢山の人が来ていた。男性も女性も問わないところを見ると、2人は随分と慕われているらしい。

 男性の方が腫れた頬について誰かに突っ込まれ、苦笑いをするたびに、小鳥遊さんは笑っていた。
 表へ出なくていいのかと彼女に聞いたが、邪魔するつもりは無いのだと言われて、小鳥遊さんは強くて格好良いと思った。

「それで?」
「はい。返事は帰ってきてないんですが、ちゃんと伝えられたと思います」
「……後悔してる?」
「少なくとも、衝動的に送っていい内容ではなかったと思います」


 キュッと指に力を入れると、アクリルのコップが滑り落ちた。


「宮ちゃん……」


 小鳥遊さんの気づかわしげな声に、私は笑顔で「大丈夫」と言おうとした。


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高炉 - 八守葵さん» ここから心苦しいことが続きます。どうかお付き合いください。 (2021年5月29日 19時) (レス) id: 996b1b07b3 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - うわぁ…小鳥遊さんを通して自分の気持ちに気付いて混乱というか不安というか………夢主ちゃんの気持ちは気付いちゃいけなかったのかな…簓さんの懇願するみたいな心の叫びに凄く胸が締め付けられました……泣きそうです… (2021年5月26日 7時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - 八守葵さん» 大切にしてるからこそ、ガンガン攻められない簓さん……。自分の癖を詰め込んでいく方向で執筆しております。同志がいてくれて嬉しいです。 (2021年5月22日 17時) (レス) id: 02eddfa9d5 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - ハァァァ〜〜、待って下さいシチュエーション最高すぎません?彼氏って言われて浮かれるのとか芸人としてじゃなくて一人の男の人として夢主ちゃんに想いを寄せているんだなぁ……って思いました! (2021年5月21日 22時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - 八守葵さん» いえいえ!こちらこそ、企画期間中たくさんのリクエストをよせていただきありがとうございました。猫化の話など、個人的に気に入っております! (2021年5月9日 19時) (レス) id: 348a12973c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高炉 | 作成日時:2021年5月1日 17時

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