闇禍 ページ44
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簓さんにメッセージを送った次の日、私は大きく深呼吸をしてから携帯を開いた。ホーム画面には、ゲームとSNS以外の通知は来ていなかった。
やっぱり、虫が良すぎたのかな。
念のため、とメッセージ画面を開いて、私は嘆息した。
「酷いことを言ってごめんなさい」、「今はまだ、私の心の整理がついていないので会いたくないです。ごめんなさい」と書かれたメッセージの下には、既読の文字はついているが何の返信もない。
「……嫌われちゃったかな」
もしもそうなら、そうだと言ってほしい。今までのこと全部が夢だったんだって思って、一晩飲み明かすから。
そんなことを考えていると、携帯が震えた。
返信かと色めきだって携帯を開きなおし、私はまた肩を落とした。返信ではなく、小鳥遊さんからの着信だった。
「もしもし……」
『おはよう、宮ちゃん。今日の件だけど、会場が変わったみたいだから教えようと思って』
「え」
『あ。もしかして、もう家を出ちゃった？』
小鳥遊さんの声に、私は驚いて声を漏らしてしまった。心配そうな彼女の声が画面越しに聞こえ、私は慌てて否定する。
「えっと……小鳥遊さん、も行くんですか？」
思わず、そう聞いてしまった。
今日の件、というのは先輩の部署にいるカップルのお祝い会だから。つまり、小鳥遊さんの元カレと今カノの。
私が言わんとしたことが分かったのか、小鳥遊さんは画面の向こう側で快活に笑った。
『宮ちゃんが気にすることないって！もう、私は踏ん切りついたからさ。あんなクズ、どこへなりとも行ってしまえって感じ？』
「……」
『大丈夫よ。お詫びに一発、殴らせてもらったし』
「え！？」
『今日はアイツ、片頬腫らして来るわよ』
クスクスと笑った小鳥遊さんは、私に変更された会場と日時を伝えると通話を切った。
私はお気に入りの花柄シャツを着て、スカートを履く。ちょっとしたアクセサリーを髪につけて、鏡の前で両頬を叩いた。
今にも泣きそうだった顔を引き締めて、笑顔をつくる。
部屋の扉を開き、私は少し迷ってから部屋の鍵を閉めた。
自分から会いたくないと言っておきながら、少し期待してしまうのが嫌になる。何をしたいのか私でさえ分からないのだから、簓さんに分かるはずがないのだ。
とりあえず、会場に行ったら小鳥遊さんに、簓さんと仲良くなれるか分からないけれど謝れましたって報告しよう。
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高炉 - 八守葵さん» ここから心苦しいことが続きます。どうかお付き合いください。 (2021年5月29日 19時) (
レス) id: 996b1b07b3 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - うわぁ…小鳥遊さんを通して自分の気持ちに気付いて混乱というか不安というか………夢主ちゃんの気持ちは気付いちゃいけなかったのかな…簓さんの懇願するみたいな心の叫びに凄く胸が締め付けられました……泣きそうです… (2021年5月26日 7時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - 八守葵さん» 大切にしてるからこそ、ガンガン攻められない簓さん……。自分の癖を詰め込んでいく方向で執筆しております。同志がいてくれて嬉しいです。 (2021年5月22日 17時) (レス) id: 02eddfa9d5 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - ハァァァ〜〜、待って下さいシチュエーション最高すぎません？彼氏って言われて浮かれるのとか芸人としてじゃなくて一人の男の人として夢主ちゃんに想いを寄せているんだなぁ……って思いました！ (2021年5月21日 22時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - 八守葵さん» いえいえ！こちらこそ、企画期間中たくさんのリクエストをよせていただきありがとうございました。猫化の話など、個人的に気に入っております！ (2021年5月9日 19時) (レス) id: 348a12973c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高炉 | 作成日時：2021年5月1日 17時
