「天地無用」、「割れ物注意」 ページ29
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「宮ちゃんの彼氏ってさ……」
出社すれば、挨拶もそこそこに化粧室へ連れてこられた。
そこで小鳥遊さんから聞かされたのは、先日の飲み会で酔っぱらってつぶれた私を連れ帰ってくれたのは簓さんだと言う話。「もう忙しくなくなったので、いつでも来て良いですよ」とメッセージを送るのも恥ずかしくて、悶々としていた私は度肝を抜かれた。
そんなの知らない。
「え。じゃあ、簓さんは私の仕事がひと段落したことを知っているんですか?」
「勘づいてはいるんじゃないかな」
「そ、そうなんですね。……って、わ私は簓さんの彼女じゃありませんよ!」
思わず大声を張り上げると、怪訝そうな顔で小鳥遊さんに見返された。
「でも白膠木簓は否定しなかったよ」
「え?」
「宮ちゃんの彼氏ですかって何回か言ったけど、否定しなかったよ」
「……ネ、ネタだと思われてるのでは?」
自分でも声が震えているのが分かった。とても嬉しい話だけど、正直に受け入れきれない。
そう思って、俯いた。
「……」
「えと、」
小鳥遊さんが何も言わないので、私はどうしたのかと思って頭を上げる。
小鳥遊さんが怒っていた。
珍しく、明らかに、私に対して怒っていた。
「……宮ちゃんが前に言ってたDV彼氏って白膠木簓のことだよね」
「え、と……そうです」
「ネタには思えなかったな、私は」
「あ、の」
明らかに不機嫌な小鳥遊さんに対して何と言えばいいのか分からず、ただ立ち尽くす。
「ごめん。ちょっと羨ましくなっちゃって」
小鳥遊さんはそれだけ言うと、「ごめんね、ホント」と呟きながら私の傍を通って行った。
微かに残ったシャンプーの香りに、小鳥遊さんが今日は香水をつけていないことに気づいた。
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高炉 - 八守葵さん» ここから心苦しいことが続きます。どうかお付き合いください。 (2021年5月29日 19時) (レス) id: 996b1b07b3 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - うわぁ…小鳥遊さんを通して自分の気持ちに気付いて混乱というか不安というか………夢主ちゃんの気持ちは気付いちゃいけなかったのかな…簓さんの懇願するみたいな心の叫びに凄く胸が締め付けられました……泣きそうです… (2021年5月26日 7時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - 八守葵さん» 大切にしてるからこそ、ガンガン攻められない簓さん……。自分の癖を詰め込んでいく方向で執筆しております。同志がいてくれて嬉しいです。 (2021年5月22日 17時) (レス) id: 02eddfa9d5 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - ハァァァ〜〜、待って下さいシチュエーション最高すぎません?彼氏って言われて浮かれるのとか芸人としてじゃなくて一人の男の人として夢主ちゃんに想いを寄せているんだなぁ……って思いました! (2021年5月21日 22時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - 八守葵さん» いえいえ!こちらこそ、企画期間中たくさんのリクエストをよせていただきありがとうございました。猫化の話など、個人的に気に入っております! (2021年5月9日 19時) (レス) id: 348a12973c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高炉 | 作成日時:2021年5月1日 17時