【ヒプノシスマイク】会員番号＃001＿その２【白膠木簓】

75人記念｜にゃんだふる＿八守葵さま ページ16

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「ここに墓を建てよう？」


　限界状態で発された私の言葉に、盧笙せんせが分かりやすく顔をひきつらせた。

　簓が面白いことになっているから、少し見に来て欲しいと言われたのが数時間前。はるばるオオサカまでやって来た私は、いま、猫耳としっぽが生えた簓さんと対面している。
　王道の萌えであった。


「めっさ写真、撮ってはったけど……どうするんですか？」
「引き延ばして壁に貼ります」


　ご機嫌な私の答えに、盧笙せんせは微妙な顔で首を縦に振った。
　そんな私たちから少し離れた場所で、簓さんは猫のように顔を洗いながら不満げな表情をしていた。


「めっちゃ満足そーやな、Aチャン。……あーあ。ドジ踏んで、こないなことになるんやったら、Aチャンに生えて欲しかったわ」
「……嫌ですよ。自分の耳に猫耳が生えるのを見て、何を楽しんだらいいんですか」
「楽しむつもりなんや……」


　簓さんに生えた、髪色と同じ猫の耳がピクピクっと動いた。


「盧笙もAチャンに生えた方がええと思うやろ」
「いや、俺に振んなや」


　本当に生えているんだな、と思わず観察してしまう。尻尾も、先ほどからぺたりぺたりとカーペットを叩いているし、ふわふわの毛も思わず触りたくなってしまう。

　盧笙せんせと簓さんが話しているのを見ながら、私はそーっと彼の尻尾まで手を伸ばした。ぬいぐるみ顔負けの手触りに、むぎゅっと力を込めて握りしめた。


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