79 ページ33
だって、夢がいつしか現実になって、それがまた夢に戻るとき、その夢みたいな現実は、一体どこに行けばいいのだろう?
ずっと、あの広い星空の中を、漂い続けるのかな。
(ずっと………)
時間が止まったままで――――。
それから、明けない夜の中を彷徨っているような浅い眠りの中で、俺は色のない夢を見ていた。
それは、もしかしたら、海の色だったのかもしれない。
裕翔と出会った日に、屋上から見た、海の色だったのかもしれない。
それから、今日までの半年間は、その、色のない夢の中を、ずっと泳いでいるような毎日だった。
日を追うことに裕翔のいない夜は増えていき、その夜が来るたびに、俺は、世界から取り残されていくような気がした。
そして、心に蓄積していく寂しさは、息をするたびに、膨らんでいった。
それは、風船にすれば、一体、何個分になったのだろう。
その数が増えていくほど、まるでこの部屋を埋め尽くしていくように、息が苦しくなっていった。
だけど、風船の減らし方は、分からなかった。
だって風船は、どんなに突いても、割れなかった。
54人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でんでん(プロフ) - すごく綺麗な文章でファンになりました!めちゃめちゃ続きが気になります! (2017年8月26日 14時) (レス) id: ea6bd4582f (このIDを非表示/違反報告)
*:)高木雄也@加藤シゲアキ(:*(プロフ) - ゆやけLOVEさん» part1でもお会いしましたね!沢山のコメントありがとうございます! (2016年12月17日 11時) (レス) id: 726ef27e93 (このIDを非表示/違反報告)
ゆやけLOVE - なんかもぉ泣きそうです(><) それぞれが幸せになれることを祈ってます。 更新待ってますm(__)m (2016年12月17日 9時) (レス) id: a62276a76a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天藍凜@シェゾ依存症 x他2人 | 作者ホームページ:リア充ぶっ飛べ!
作成日時:2016年12月13日 17時