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よっつ ページ4

ふくよかな胸の膨らみ。


長い髪。


細い手足。


小さい顔。







雨水が伝って目の前に現れているそれらはすべて、女性特有のものだった。







昨日は、こいつは直ぐに逃げたため、わからなかった。








俺は、少し動揺したが、すぐに気を取り直し、礼を言った。





「すまねぇ、ありがとう。」





すると、女は、何も言わずに会釈した。









俺の中の警戒心は、いつの間にかなくなっていた。








「手前、異能力者だろ。どこの組織のもンだ?」




そう俺が言うと、女は首を横に振った。









色々な組織の名前を出して、表情で読み取ろうにも、


透明なのでいまいちわからねぇ。


目線なんて以ての外だ。









別に組織を把握してもどうっていうことはねぇんだけどな。


仕事ならいいが、今は完全に俺のプライベートだからだ。







無理に詮索するのも悪いと思い、俺は質問するのをやめた。









質問が終わったからか女は、自分の手の平を指さしを指さしてから、俺を指さすという


謎の手振り(ジェスチャー)を始めた。









俺の手のひらを貸せって事か?








そう解釈した俺は、手のひらを女に見せた。






すると、女は、俺の手を取って、手のひらを指でなぞり始めた。


如何やら文字を書いているようだ。







手のひらの感覚を頼りに、俺の手のひらに綴られていく文字を、


頭に思い浮かべていく。








わ、た、し、に、あ、い、に、き、た、の、?








私に会いに来たの?


ってことか。








「ああ。」


隠しても意味はないので、正直に言った。









すると女は、はにかみながら








へ、ん、な、ひ、と、ね






と、指で書いた。









其のしぐさを見たとき、俺はどうしようもなく焦った。









………やべぇ。惚れた。

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作者名:アケ | 作成日時:2019年2月9日 0時

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