気づいたら柱になってた 弐！【鬼滅の刃】

第捌拾伍話 ページ43

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スパァン！と頸を斬り、鞘に刀を収めたと同時にドォン！と地響きが辺りに鳴り響く。



『…っ何？！？！』



音のした方へタッ…と駆け出そうとした時、グンッと何かに引っかかって宙ぶらりんになる身体。



…糸？



蜘蛛の鬼「チッ…お前に頸を斬られる前に自分で斬って正解だった｣



鬼って頭使えるんだ。



蜘蛛の鬼「油断するからだ…クケケ…」



『……ふーん、種明かししちゃっていいの？』



蜘蛛の鬼「糸を斬ろうとしても無駄だぞ。鋼のように硬い糸だ…お前みたいな女じゃ斬れるわけが…」



ブチッ！



「なっ…？！糸を切った？！！？｣



『私にはやらなくちゃいけないことがあるの、あんたに構ってる暇なんてない！！』



「くそぉ…！」



『天の呼吸 伍ノ型 天上天下！！』



「ぐあっ……！｣



コロン…と今度こそ落ちた頭は徐々に塵となっていく。そんな鬼の頭の傍に駆け寄る。



『どうして貴方は鬼なんかになったの？』



1度でいいから聞いてみたかったんだ、と純粋な質問をぶつける。



蜘蛛の鬼「俺だってなぁ…！鬼、なんかに…なりたくて、なった訳じゃ、…ない」



ポロポロと涙を流した。



蜘蛛の鬼「俺は…ただ、幸せ…に、なりたかっ…た」



『！』



ぶわぁ、と後悔の念が鬼から伝わってきて何故だが涙が零れそうになった。



『…きっと、来世では幸せになれるよ。…お休み』





ふっ、…と微笑みパラパラと塵となり消えていった。









『また、救えなかった…………………』

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