早朝 ページ23
翌朝、早くに目が覚めた
僕の隣でスヤスヤと眠るAを起こさないように
そっとベッドを降りた
早朝、靄がうっすらとかかったような外の空気を部屋に取り入れようと
窓を静かに開けると、気持ちが良い空気が部屋に入ってくる
普段、Aの前ではタバコは吸わないようにしている
僕には言わないけれど、彼女はタバコの煙が苦手なようで
煙に咳き込む所を、何度か見ていた
バッグの中にある、封を切っていないタバコを取り出すと
なるべく煙が部屋に入らないように
窓の外に向けて、タバコに火をつけた
YN「ふぅー…」
二日ぶりのタバコ
空気が良いと、心なしか美味しく感じる
昨夜はあんな風に彼女を泣かせてしまったこと
そして、必死に彼女を求めてしまったことを
後悔していた
どんなに彼女を思っていても、彼女は僕の所有物じゃない
彼女には彼女の気持ちがある
自分と同じように、彼女にも僕を想ってほしくても
それを強制することは出来ない
もっと彼女の気持ちを尊重しなくちゃいけなかった
それなのに…
YN「はぁー…」
僕はまだ子供だな…
考えれば考えるほど落ち込んでいく
窓に置いた灰皿に、小さくなったタバコを押し付けると
２本目に火をつけた
YN「ふぅー…」
Aの泣いていた顔を思いだし、煙をぼんやりと吐き出した時だった
背中にぎゅっとしがみつく温もり
YN「A？」
「…起きたら、居ないから」
寝ているとばかり思っていたAが
僕の背中にしがみついていた
YN「ごめん。タバコ、煙かった？」
気を付けてはいたものの、煙が部屋に入ってしまったのかと
持っているタバコを灰皿に押し付けた
「ううん。大丈夫だよ」
そう答えながら、彼女は僕に回した手に力を込めた
YN「どうしたの？まだ早いのに」
そう聞いた僕に、彼女は
「…帰りたくない。もっとユノと一緒にいたい」
そう、こたえた
YN「僕も。帰りたくない」
彼女の手をほどくと、振り返り
彼女を今度は僕が抱き締めた
僕の背中に回る彼女の両腕
その彼女の力の強さが心地よかった
「大好き…ユノ。…大好き」
彼女の言葉が、僕の中の不安を全て取り去っていく
YN「僕も。…大好きだよ、Aが…大好き」
朝の静かな部屋で
僕たちはお互いを温めるように抱きしめていた
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裕(プロフ) - あみさん» 今コメントに気付きました！ごめんなさい<(_ _)>遅すぎるお返事お許し下さい！まだ読んで下さっていてくれるでしょうか？これからも宜しくお願い致します<(_ _)> (2018年1月19日 16時) (
レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - 裕さんの書かれている小説、どれもこれも大好きです！いつもうるうるしながら読ませてもらってます。ありがとう！これからもお願いしますね！ (2016年8月6日 10時) (レス) id: 8871346393 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - アンジュさん» 読んで頂いてありがとうございます(*´-`)続きも是非♪ (2015年4月29日 21時) (レス) id: 7b66b690be (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - もとじゅんさん» コメントありがとうございます(*´∀｀)一度でいいからイケメンと付き合ってみたいもんです(爆) (2015年4月29日 21時) (レス) id: 7b66b690be (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 今日、初めて、こちらを、読ませてもらいました。私が、泣きそうです。（ ; ; ） (2015年3月19日 15時) (レス) id: 6b3037758e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕
| 作成日時：2014年9月13日 0時
