第一章 「玉響」 ページ3
朔間side
そんな事を考えながら私は窓の外を眺め、時間を潰していた。
目を閉じれば雨音が耳を突くが、それ以上にうつ伏せになっているからか、腕時計の針の音が忙しなく私を追い立てる。
朔「遅いなぁ皆ぁー。」
暦では今は夏だと言うのに、実際は中秋のように肌寒い。
生徒会室にはつい10分ほど前に来たが、暖房は全く働く気がない模様。
朔(………それにしても皆遅いな。)
とりあえず、いつも会合や訓練に遅刻してくる『例の3人』は置いといて、会長まで来ないとは何事だろうか。
ちなみに開始時刻からは既に3分が経過している。
朔(だけどまぁ…こういう事を言うとアイツにはせっかちだなんだって言われるし…面と向かっては言わないけど。)
そんな事を心のなかでブーブーと言っていると、横から扉の擦れる音がする。
冬「おっ?陽だけ?珍しいねぇ。ま、いつもなら部屋の外に聞こえるくらいアイツと騒いでるもんな。どうりで聞こえないわけだ。」
朔「別に喧嘩してねえから!アイツと騒ぐ義理も無いだけだ。」
この目の前の飄々としている奴は冬木紗奈。
玉響班の中ではポスト会長の立ち位置で、藤堂会長の右腕である。
…とは言っても、正直彼女自身の方は、てんで好きになれない。
素直過ぎるし、恐らくこの学園に向いてない方の人間だ。
戦争では何が起きるかわからない。こういうやつがたまに無駄死にをする。
…と、こないだアイツに言ったら、
「お前も大概だぞ。」
と言われ、その日はしょんぼりした顔で佐戸ちゃんに慰めて貰ったっけ。
そんな事を考えていれば、また扉が開かれる。
それに、今度は数人分の足音さえ聞こえる。
朔「……遅刻。」
蔭「…すまないとは思ってる。」
そう、”アイツ”を筆頭とした遅刻三人組だ。
四「ふぁぁ…ねっむ……暖房、暖房…。」
橘「だめ。」
目端で、生徒会室に入るなり早速暖房の上で毛布にくるまり寝ようとする四水の首根っこを掴んで無理矢理椅子に座らせる橘を流し見しながら、目の前の彼女と話す。
朔「ごめんで済んだら警察要らないって何回も言ってるじゃん。」
蔭「いやっ、それがですねぇ朔間さぁん……。係の仕事が大量に、」
朔「はい言い訳駄目ですー、校庭5周ね〜。」
そう言うと、彼女は分かりやすいように顔を青ざめた後、どうにかして逃れようと冬木の方に目をやるが、肝心の本人は何か打ち込み作業をしていて気づくことはなかった。
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作者名:パスタ好きのさらさん | 作成日時:2022年10月7日 14時