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真摯に向き合うには ページ9

『____大丈夫?
与謝野先生』









「ああ、大丈夫だよ。
ありがとねェ」









与謝野にそう言われて嬉しそうに笑うのは、泡立ったタオルを持った蓮。

二人で銭湯に来たので、背中を流しあっているところ。

姉御肌の与謝野と、無自覚ながら妹気質の蓮は相性が良かったらしく、すぐに意気投合していた。

体に着いた泡を洗い流し、広い湯船に浸かる。









『与謝野先生、太宰さんは仕事ではどんな感じ?』









「太宰かい?
そうだねえ、太宰は遅刻ばかりで国木田を怒らせているけど」









『けど?』









「探偵社を助けてくれる、大切な社員さ」









『………そっか』









年相応の笑みを浮かべる蓮。

与謝野はその反応を見て、太宰の蓮にとっての大切さを感じる。

少し離れたところにいた与謝野が近づいて来たので、蓮は反射的に逃げてしまった。









『あ………ごめん』









「いいや、大丈夫さ。
妾も悪かったからね」









その言葉を交わし合い、そこから沈黙が訪れる。

不幸にも、今日は平日、しかも昼間。

客が蓮と与謝野しかいないのである。

他の客による騒めきもない為、静粛に包まれた銭湯。

それを破ったのは、蓮だった。









『____与謝野先生はさ、俺の体見て、どう思った?』









「………どうって」









『俺の、傷だらけの体、見て……どう思った?』









己の細い肩を抱き、震える真紅の瞳で与謝野を見やる蓮。

与謝野は蓮と相性は良かったが、それでも今日会ったばかりの人物に過ぎない。

彼女が最も望む答えを見つめることができない与謝野は、己の赤い唇を何度も開けようとするが、続けるべき言葉が見当たらない。









『正直に言って。
____お願い』









そう言った蓮の表情を見て、与謝野は目を見開いた。

泣きそうな、弱々しい表情だった。

だが、目をそらす事はせず、しっかりと此方を見てくる。

その瞳に思わず与謝野は、言う事を定めずに口を開いた。

その中で、私はこの言葉を選ぶ→←可愛い一言


ラッキーキャラ

樋口一葉


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Cabby - NEKOさん» 御免なさい、たまに出てしまうんです………おそらくバグか何かかと。気付いたので修正させていただきました。NEKOさんも、無気力ななさんもご指摘ありがとうございます! (2019年12月25日 19時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
無気力なな(プロフ) - 私もです!!なんか変な字がたくさん出てきた (2019年12月24日 19時) (レス) id: 9b1d70f3c6 (このIDを非表示/違反報告)
NEKO(プロフ) - すみません、めっちゃ文字化けしてるようなのですが何故でしょう? (2019年12月24日 18時) (レス) id: 14e69bc545 (このIDを非表示/違反報告)
Cabby - NEKOさん» ありがとうございます!未だ続きますので、宜しくお願いします (2019年12月22日 15時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
NEKO(プロフ) - これからも楽しみにしてます!完結になってたのでもう終わっちゃったのか焦っちゃいました..笑 (2019年12月21日 21時) (レス) id: 14e69bc545 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2019年12月14日 18時

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