都会って凄い ページ6
『_____ごめんなさい』
「あ、いえいえ、良いんですよ。
怪我も治してくれるんですよね?」
「痛そうだね」
『………ごめんなさい』
場所は武装探偵社の応接室。
其処にいるのは社員と一人の薄汚れた少女。
申し訳なさげに首を垂れる蓮を見て、その横に座りニヤニヤとする太宰。
そしてそれに文句をつけ喧嘩しようとする蓮。
昔よりも喧嘩っ早くなったか、と思いつつも、以前は毎日のように殺しに来ていたのだ、そんなことはないだろう、そう思った。
『治させて貰うね』
そう言って蓮が机越しに座っていた敦に近寄る。
そして敦に少しだけ触れた。
『君の名前は何?』
「え、名前?
僕の名前は中島敦」
治癒とは全く関係のない話題に敦は少しばかり戸惑うが、直ぐに腕を差し出して治療を求めた。
蓮は敦の言葉にこくりと頷いて、血に汚れた唇を震わせる。
『【ナナシの運命】』
次の瞬間、敦の傷ついた腕を中心として、赤い文字列が浮かび傷を覆う。
そして、血の止まりかけていた傷口を、何事も無かったかのように治した。
社員は其々その現象を興味深そうに覗き込み、驚いた顔をした。
「治癒系の異能力か?」
「否、攻撃系でもあるだろうねェ」
「不思議………」
「都会って凄い!」
「凄い、もう治った………」
社員達が口々に蓮の異能力について考えを述べる中で、当の本人は太宰にすっと視線を投げた。
太宰は直ぐに気付き微笑みかけてくれる。
目敏くそれに反応したのはナオミで、その歳不相応の色気がある顔立ちに疑問を浮かべ言った。
「太宰さんと貴方はお知り合いだったのですよね?
どの様な関係ですの?」
ナオミの質問に、蓮はヘッドフォンの金具を弄ってから答えた。
『俺の名前は山田蓮だよ。
太宰さんとは………』
「蓮とは古い付き合いさ。
といっても六年前からだけどね」
「古いとは言えないかな」と太宰が苦笑混じりに答えたのを見てナオミは成る程、と頷いた。
「だが、先刻蓮さんが太宰に向かって言っていたよな。
その………なんだ、好きだ、と」
少し言いにくそうに確かめた国木田に太宰が楽しげに笑った。
蓮は真面目に国木田の質問に「ああ」と前置きしてから続ける。
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樋口一葉
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Cabby - NEKOさん» 御免なさい、たまに出てしまうんです………おそらくバグか何かかと。気付いたので修正させていただきました。NEKOさんも、無気力ななさんもご指摘ありがとうございます! (2019年12月25日 19時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
無気力なな(プロフ) - 私もです!!なんか変な字がたくさん出てきた (2019年12月24日 19時) (レス) id: 9b1d70f3c6 (このIDを非表示/違反報告)
NEKO(プロフ) - すみません、めっちゃ文字化けしてるようなのですが何故でしょう? (2019年12月24日 18時) (レス) id: 14e69bc545 (このIDを非表示/違反報告)
Cabby - NEKOさん» ありがとうございます!未だ続きますので、宜しくお願いします (2019年12月22日 15時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
NEKO(プロフ) - これからも楽しみにしてます!完結になってたのでもう終わっちゃったのか焦っちゃいました..笑 (2019年12月21日 21時) (レス) id: 14e69bc545 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2019年12月14日 18時