【文スト】人間不信の男装少女は探偵社に入って頑張るそうです 肆

スカァト嫌いの山田ちゃん ページ11

「＿＿＿＿うん、可愛いじゃあないか！」









満足げに頷く太宰。

それに反し、蓮は少し不満そうな表情。

その理由は＿＿＿＿









『スカァトを履くなんて聞いてないよ』









銭湯を出て、与謝野が選んだ服を着て見たのだ。

すると吃驚。

ミニスカァトがその中に入っていた。

着るものは元々身に纏っていた襤褸しかないので、流石にそれは気が引けた為、仕方なく今着ている。

嬉しそうに笑う太宰を見る限り、スカァトを選んだのは太宰なのだろう。

だが、蓮がおとなしくスカァトを履くと思うか？

否、履くわけがない。









『こんな恥ずかしいもの！
今すぐここで脱いでやる！』









「ちょっと待って！？
やめてよ蓮、いくらタイツ履いてても駄目だよ？！」









『此処なら俺は平気だ！
それに今は男の人はいない、好機だ！』









「私が嫌だ！」









耐えられなくなった蓮がスカァトに手をかけ、それを太宰が抑える。

会話を見ていた与謝野はやれやれと溜息を吐き、珈琲を作る。









「………今人が入ってきたら、太宰が蓮を脱がしているように見えるねェ」









完璧なフラグ。

勿論、回収する。









「＿＿＿＿太宰ィィ！
貴様、とうとう………！！」









「待って？！
誤解だよ国木田君、私は」









『帰ってきちゃったじゃん！
屈辱だ……今すぐ脱いでやる！』









「脱がないで蓮！」









カオスと化した現場。

国木田が太宰を締め、蓮が脱ごうとするのをまた止める。

その中で優雅に珈琲を飲む与謝野に、敦と鏡花が近づいて来た。









「与謝野さん、これは………？」









「さあ、妾にもわからないよ」









「蓮、可愛い……」









「似合っているだろう？」









「うん」









肩をすくめて笑ってみせる与謝野は、鏡花の言葉に自慢げにする。

混乱した敦が止めに入って、蓮が更に暴れるのはまた別の話。

好みにぴったり→←その中で、私はこの言葉を選ぶ

ラッキーキャラ

樋口一葉

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