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眩しい光、それに覚醒を促され目を開いた。


ゆっくり体を起こした。


消毒液の匂いにこの硬い感触、ここは恐らく___






「あァ、起きたかい?」





大人びた艶のある声。


声の元は女性は髪を肩の長さで切り揃え、蝶の髪飾りをつけた人物。






『………与謝野、女医』






「大丈夫かい?
あンた、急に気を失っちまうもんだから……
心配したんだよ」






心配そうに首を傾げてくれる与謝野からはほんのりと良い香りがした。


寝台から降り、踵を上下に動かし状態を確認。






『……うん、大丈夫…』






「そうかい……それは良かった」






心配してくれるのが少しむず痒くって思わず髪を弄ってしまう。


その様子に与謝野は妖艶に笑い扉を開けてくれた。






「さ、いったいった。
____みんな、あんたを待ってるよ」





『………………?』





首を傾げ乍も扉の先へ進むA。


一瞬、眩しい光が射した。


反射的に目を瞑ってしまう。


だがすぐにそれになれ再び目を開くと___







「「「「「「シロ/ちゃん、ソフィア/ちゃん/君、入社おめでとう!」」」」」」







わあ、と感嘆の息を漏らすA。


いつのまにか横にはソフィアがいて。


目の前には様々な色のクラッカーを持った社員達がいた。


みんな笑顔で(国木田を除く)二人を迎えてくれた。


自然と笑みが零れる。


横にいるソフィアを見れば嬉しそうに�茲を染めて隠しきれない喜びが見えた。






『ソフィア』





「はい」





『嬉しい、ね?』







楽しげに眼を細めて笑うAを見てソフィアも愉快そうに笑い、答えた。







「ええ。
………とても、嬉しいです」






そのソフィアの声ににこりと笑い返しAは乱歩が手渡してくれたジュースを一口。


その時にも、脳裏に浮かんでしまうのはあの少年で。






《____ごめんなァ、A。
大好きだよ》







この幸せな光景を彼が、ハルが見たら、喜んでくれただろうか。


少なくとも、Aは喜んでいる。


きっと、ソフィアも。


いつの間に大切になっているこの場所。


きっと、ここでなら。


楽しいことに思いを馳せ、笑みをまた零す。





だから____







『ねえ………ソフィア』






「何ですか?」






不思議そうに小首を傾げる彼女。


優しく微笑み言った。






『ここで、なら………きっと、ね。
___きっと、生きる…意味、見つかるよ』






その微笑みにソフィアは嬉しげに笑った。






「____はい」

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Cabby - ありがとうございます!是非続編も呼んでください! (2019年10月4日 19時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
楳宮 春 - 続編が楽しみです……! ソフィアちゃんの太宰さん嫌いは凄まじいですね…笑 無理せずに更新頑張って下さい! (2019年9月29日 20時) (レス) id: 523f0370de (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - とっても面白いです!次の更新も楽しみです! (2019年9月29日 20時) (レス) id: b5778c1530 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年8月26日 13時

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