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帽子屋からの汚い手紙 ページ24

「__済まない、弁護士さん。
此方側の手違いで、こんな古臭い牢屋に入れちまって」









伯爵夫人から狭い牢屋の中で逃げ回り数分、薄赤の衣装を身に纏った、兵隊と思しき男が申し訳無さげに頭を書きながら行った。

薄赤の衣装に白い布がかかっていて、其処に記してあったハートの印が少し気になる。

牢の鍵を開けて貰い、礼を言いながら外に出た。

錆臭い臭いの元を探すようにあたりを見渡せば、他に何人もの死刑囚が捕まっていた。









「弁護士さんよ、此れ、帽子屋に貰ったんだよ、アンタに渡してくれってよ」









『____?
帽子屋から?』









帽子屋という言葉に首を傾げ、其れから訝しげに黒い便箋に包まれた手紙を受け取る。

何か不思議な仕掛けでもあるのかと思ったが、そんな事はないらしい。

糊付けされた封筒を丁寧に剥がし、中身を取り出した。









「じゃあな、弁護士さん。
此れは内緒だが、アンタが裁判で勝ってくれることを期待しているよ」









____《お客さんには、ハートの国の裁判に行ってもらおう》









『____裁判』









先刻も聞いた裁判なる言葉を復唱し、兵士を呼ぼうと薄い桃色の唇を動かす。

だが彼は、「仕事が山積みだ」と言って、地下牢から出て行ってしまった。

伸ばしかけた手を引き、仕方なく封筒の中身に目を通した。









《お客さんへ



よお、この手紙を読んでるって事は目を覚ましたんだろうな。

もしかしたら、醜い夫人ともう会っちまってるか?

だとしたらそいつの事は忘れろ。

彼奴は怒りやすくってな、扱いにくいったらありゃしねえ。

そういう事でだ。

これからお前には、或る遊戯をやって貰う。

チェスやポーカーと言った簡単なもんじゃねえぜ?

今回は、彼奴の趣味も混ざってるが………

取り敢えず、今回お前には、弁護士をやって貰う。

アリスって言う金髪の女の子が今この国のとんでもない女王に疑いをかけられてるんだ。

アリスの弁護士になって貰うぜ、今回はな。

其れでアリスの容疑を晴らせたらお前の勝ち。

アリスが死んじまったらお前の負けだ。

お客さんが勝ったら、エセ教祖の所に行かせてやるよ。

まあ、精々頑張るんだな。





イケてる帽子屋、ハッタより》









所々歪んだ字で記されている手紙を読み終わり、静かに天を仰いだ。


此れは長い道のりになりそうだ。

アリスという幼女→←途中下車した駅の名前は“ハートの国の裁判”


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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時

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