不思議の国の住人たち ページ20
ヌフフ、とそう不気味に笑った猫__チェシャー猫。
紅い牙を覗かせ此方を伺ってくるその猫に忌避感を覚えた。
《サァサァ、蓮様、貴方ですかい?
あの“白ウサギ”をこの城の中に招き入れたのは》
白ウサギ____
あの白い兎の事か?と、相手を見ていると、チェシャー猫は不機嫌そうに口元を動かした。
《オヤオヤ、ダンマリですかい?
別に、僕達は怒ってなんか居ませんよ、エエ、イエ、別に怒ってなんか居ませんとも。
唯、僕達はあの兎が嫌いでしてね、ホラ、貴方は、そうですねェ。
イヤ、人を殺している奴に、人を殺すな、と言われたら理不尽を感じるでしょう、其れですよ。
僕達が白ウサギを嫌っているのは》
ゆったりと尻尾を揺らし蓮に語りかける様に話すチェシャー猫。
どうやらチェシャー猫はあの兎が嫌いらしい。
それと、気になる点があった。
僕達、とそうチェシャー猫は言っている。
つまり、まだ仲間がいるはずで。
《オオ、新しいお客さんかな、チェシャー。
随分と若いお客さんだね、この子は殺しがいがありそうだ》
《ハッタハッタ、新しいお客さんだって。
今度開く、黄金林檎パイの試食会に誘おうか》
《ヘイヤヘイヤ、それは良い案だ。
序でに最近作った【きらきらこうもり】の歌も歌わせよう、そうしたらこのお客さんもパーティの虜になるさ》
呑気な喋り声。
其れが響いた後に、視界を青紫色の煙が多い、敵襲かと思い後方に飛び退ける。
煙が晴れ、窓の先まで見える様になった時、其れは現れた。
『………なんの冗談かな』
そこに居たのは異形の集団であった。
古びたキセルを口に咥え、緑色の肌に覆われた腹を上下させているのは青虫。
茶色の体毛に、藁でできた冠らしき物を被ったのは野ウサギ。
三頭身の、常人ならあり得無い様な体型を持ち、上品なシルクハットを被ったのは乱雑に切られた髪が見える男。
この世の物とは思え無い様な存在が、其処には当たり前と言わんばかりに集合して居た。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時