【文スト】人間不信の男装少女はマフィアに入って頑張るそうです。 (ページ37)

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参拾伍ページ37

『………何もされてないんですね。

じゃあ、怪我されたとか？』

「してねえよ」

『………はッ、分かりました。

太宰幹部からの日頃のストレスでとうとう頭がおかしくなってしまったんですね？

其れも、誰彼構わず優しさを振りまいてしまうほどにッ！

大変です、早く精神病院に行きましょう、きっと、きっと！

良くなるはずですから！

こんな事があれば太宰幹部も行いを改めるかも………！』

「おかしくなってねえよ！！

糞鯖が俺が倒れただけで行い改める訳ねえだろ！

然もさっきから何だ、俺は至って正常だ！」

『ですよね、知ってます』

先程までの態度と打って変わり、急に落ち着いたように話す蓮。

其れから「本当にこれもらって良いんですか？」と問うと、
中原は「もう買っちまったからなァ」と言って笑う。

イケメンだ、一体何人の女性がこうやって落とされてきたのだろう。

思わずそう考えてしまう。

そしてもらったチョーカーを着ければ、彼は「似合ってる」と美しく微笑んだ。

『中原さん、有難うございます』

「良いンだよ、別に。

………日頃から頑張ってるからなァ」

中原の言葉に柔らかく笑うと中原はポンポンと頭を撫でてくれた。

肉体的な接触も近頃は織田から貰ったヘッドフォンを着けてからマシになった。

もう少しで、若しかしたら太宰に認めてもらえるかもしれない。

そう思うと胸が一杯になる。

その時、ふと時計に目がいった。

『＿＿＿＿ああああああぁぁ！！』

「うおッ、どうした？」

突如叫んだ蓮に中原は驚く。

其れから「あァ、仕事か」と察してくれた。

その言葉に頷いてから、中原から貰った黒い箱を握り締め執務室から少し早歩きで出る。

出る時、行成此方を振り向いて、悪戯に笑った。

『＿＿＿＿太宰幹部によるストレスで倒れない事を祈ってます』

「余計なお世話だ！」

叫ぶ中原に蓮は声をあげて笑い、出ていった。

思わず、可愛いと思ってしまった中原は悪くない。