弐拾肆 《太宰side》 ページ26
暫く呆然としていると、織田が目を覚ました。
寝起きで人相の悪くなった彼は二人を視界に入れると、
「何だ、いたのか」と欠伸を噛み殺し言った。
「否否、いたのか、じゃなくて。
その女性、誰だい?」
まじまじと見れば、その女性はかなり背が低い。
だがそれでも男を魅了する程の美貌があった。
織田は「ああ」と言って、女性の肩を揺すった。
「おい、起きろ」
織田作が此処まで狼だったなんて。
太宰は友人の意外な一面を知ってしまったと思い乍、今更思ったことがあった。
気が動転していたのかもしれない。
其れに気づいていれば、この女性の正体は直ぐにわかった。
「織田作、何で補佐の部屋にいるんだい?」
「ああ、其れは____」
『____んん、作之助さん?』
女性が目を覚ました。
開かれた瞳の色は引き込まれてしまいそうなほど美しい赤。
寝起きで少し掠れた声は愛嬌があり__そして何より、太宰と中原には聞き覚えがあった。
「蓮に一晩世話になったからな」
そう言って織田が掴んだのは半裸の蓮。
そして、太宰達の存在を認識して紅の瞳を見開くと、
その光景に目の前の双黒は続くようにして目を見開いた。
『うわあああああああ!!!』
「わああああああああ!!!」
「あああああああああ!!!」
三人の絶叫が響き渡り、織田は「煩い」と耳を塞いだ。
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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年9月19日 21時