話.37 ページ37
.
ぽつ、ぽつ、
小さな雨粒が頰に落ちてきて、空を見上げる。
黒くて大きな雨雲が空を包んで、心なしか雨はだんだん強くなってるみたいだ。
雨の匂いが鼻をかすめる。
「吉川」
私は小さな声に反応してそちらを向く。
雲雀くんだ。私なんかのことを探してくれたのだろうか。
余裕そうな雰囲気が崩れて少し苦しそうで、だけどホッとしたような、そんな表情をしている。
それがどうしてなんだか、よくわからないんだけれど、話をしたかった。
口を開こうとするけれど思ったことを上手く言葉にできない。
なんて言えばいいんだろう、何から言えばいいんだろう。
「…」
「…」
どんどん強くなる雨の真ん中に、ただ立っているだけだ。
雲雀くんも何も口にしない。
どんどん肌寒くなっていくのに、ここだけ止まってるみたい。
「っくしゅん」
沈黙を破ったのは恥ずかしいことに私のくしゃみだった。
「雨宿りしよう」
「…、うん」
雲雀くんは歩き出す。
私はその後ろについていくことにした。
.
30人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
館サラダ(プロフ) - おあさん» こちらこそ初めまして、館サラダと言います…!コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。キャラクターのことを意識しながら亀更新ながらこれからも書かせていただきます(*´-`) (2018年1月16日 0時) (レス) id: a42222aa6a (このIDを非表示/違反報告)
おあ - 初めまして『おあ』といいます。なんだか不思議で可愛いお話ですね!雲雀恭弥君の性格が読んでいて、ちゃんと意識しているのかもなあって思います。私も作品を作っているのですが…すごいです!尊敬してしまします!これからも更新頑張ってください!! (2018年1月14日 11時) (レス) id: b53efceb36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:館サラダ | 作成日時:2018年1月6日 0時