話.31 ページ31
◇
「…、…か…、よ…わ…………、」
「…」
「吉川？」
「…ん…？」
私の席の前にはクラスメイトの子が立っている。
「こんなところで寝てたら風邪引くぞー」
「…そうだね、ありがとう」
私がそう言うと、クラスメイトはにかっと笑ってみせた。
短髪の黒髪が爽やかな笑顔によく似合う。
名前は山本くんって言ったっけ。
「もう遅い時間だし早く帰れよな」
ぽんと手を私の頭上に置いてさっと教室から出ていく彼。
なんだかお兄さんみたいだ。
一人っ子だから憶測でしかないけれど。
「はあ」
何に向けたため息なのか自分でもわからないまま、ため息を吐いて、帰る準備をする。
それにしても、またしても私は寝てしまったなんて。
そして、無駄にリアルな夢だった。
私の記憶なんじゃないかって思ってしまうくらいに精巧に作られていて。
でもやっぱり私にあんな記憶はない。
確かにテストを重荷に感じていた時期はあった気はするけれど、あそこまでは重く感じていなかったし。
まあ所詮は夢だ。
「今日は家にすぐ帰ろうかな」
スクールバッグを肩にかけて、教室を出る。
夢のせいで何だか会うのには少し複雑な心持ちだ。
まずどうして雲雀くんは私なんかと会って何がしたいんだろう。
夢で頻繁に出てくるからか、何回も会ってる気になっているけれど、実際はほんと2、3回しか会ってないし。
しかも話っていう話もしていない上に雲雀くんからの話はない。
寂しいのだろうか、そうなら年相応で可愛いところもあるんだなあ。
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館サラダ(プロフ) - おあさん» こちらこそ初めまして、館サラダと言います…！コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。キャラクターのことを意識しながら亀更新ながらこれからも書かせていただきます(*´-`) (2018年1月16日 0時) (
レス) id: a42222aa6a (このIDを非表示/違反報告)
おあ - 初めまして『おあ』といいます。なんだか不思議で可愛いお話ですね！雲雀恭弥君の性格が読んでいて、ちゃんと意識しているのかもなあって思います。私も作品を作っているのですが…すごいです！尊敬してしまします！これからも更新頑張ってください！！ (2018年1月14日 11時) (レス) id: b53efceb36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：館サラダ | 作成日時：2018年1月6日 0時
