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「お前...」
「ったく、見せ場残しとけって言ったでしょう」
呆れた顔で笑う神門に、吹雪の焦燥が少しだけ収まる。
「今回はまだ一度も打ってませんよね、
「！！」
一人では無理だが、二人ならばどうだろうか。そう語る神門の目を見てアツヤが口元に笑みを浮かべた。
「着いてこれます？」
「ッは！余裕だっての！！」
そう言うと、吹雪はエターナルブリザードの構えを取る。
「来たか！.....ッ！？」
しかしその足元にあるボールは塵になり、ワームホールを使おうとしていたデザームの動きが止まる。
「遅いよ」
その声にデザームが目線をやると、細められた神門の瞳と視線が合った。
「「ファントム」」
ゴールの中の霧から神門と吹雪が現れる。
その足元のボールを吹雪が軽く蹴ってネットに当てたことで、得点を知らせる笛がなった。
『っ、ゴーーーーール！！！瀬於と吹雪のファントムによって、ワームホールを出させる間もなくゴールを決めた！！！！』
「.....っや、」
「「やったーーーーー！！！！！」」
徐々に状況がわかったのか、雷門がじわじわと喜びの声を上げ始めた。
「反則技みたいなところありますがね」
「得点に変わりはねぇだろ！」
先程の焦りが嘘のように満面の笑みを浮かべた吹雪がこちらに拳を突き出す。
神門は微笑み返すと、軽く拳を突き返した。
「...面白い」
デザームも、そんな二人を見て心底愉快そうに笑っている。
「さて、落ち着きましたか」
「っおー...」
興奮して周りが見えなかった自覚はあるだろう。アツヤは気まずそうに神門から視線を逸らした。
「それじゃあ私の分もリベンジ決めてくださいね。あぁもちろん私がやってもいいのですが...」
なんの、とは言われずともわかっている。
吹雪はそれを聞いてくつくつ笑っている神門の肩に腕を回した。
「あぁ？お前はまだ完成してねぇんだろ？俺と兄貴が完璧にシュートを決めてやっから大人しく見とけ！」
「俺と兄貴」と言ったのは無意識なのかそうではないのか。
どちらかは定かではないが、この様子なら一人でシュートを打たせても問題ないだろう。
神門は上機嫌に笑う彼らの背中を、激励を送る気持ちで少しだけ強く叩いた。
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桜餅 - ストーリーの流れ作りやセリフ、心理描写などがすごく丁寧で一気読みしててすごく楽しいです。神門ちゃんも神々しくて性差のないセリフもミステリアスで推しになっちゃいました。続きいつか見られたらいいなと思います。 (4月21日 10時) (
レス) @page27 id: 4b77f742c4 (このIDを非表示/違反報告)
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