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「それ、お前のせいじゃなくね？」
上からそんな言葉が降ってきた。
見上げてみると、忍はキッパリと言う。
「間違ったことは言ってないじゃん
自己紹介が普通の人だって、他にもいるだろ」
俺のとこは殆どそうだよ、と。
「でも、幾ら正しくても、人に好かれるとは限らないじゃない
私だって、こんな自分が嫌よ」
今まででこの性格が気に入られることは殆どなかった。
真面目で固い人は万人受けしないことなんて、私にでもわかってる。
「でも、それがお前じゃん」
真っ直ぐに澄んだ目で、忍は笑いかける。
納得できなくて抗議しようとするも、まだ言葉は続いた。
「短所って思われるかもしれないけど、いつだって真面目でいられるヤツなんて中々いねえぞ
立花が努力家なのも、バカみたいに真面目だからだろ」
優しげに目を細めて言った。
そよ風が忍の髪を靡かせて、絹のような髪が揺れる。
「正義感があって責任感も強い
決めたことはとことん貫くし、そういうとこ、すげえなって尊敬してる」
柔らかい声に、涙が出てきそうなくらい嬉しくなった。
鼻の奥がツンてしてくるし、ヤダ泣きそう。
「立花のいいところ、自分で否定しないでほしい
俺はそのままの立花が好きだよ」
ポロッと一つ零れた涙を隠すように、慌てて下を向いて涙を拭う。
大きな手が、ポンポンと頭を撫でてくれた。
「ありがとう」
一人でも、いいや。
KZに会うまでは元々独りだったんだし、今はこんなに仲間に恵まれてる。
だって、ほら。
「寂しいんだったら、俺が休み時間の度に会いに来てやる」
例え教室では一人でも、私自身は独りじゃない。
「帰ろ、送るよ」
先に歩き出した忍を追いかける。
空に浮かぶ夕日が、私たちを照らしてくれた。
fin.
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