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夕焼けロマンス。 ページ2

学年が上がって、クラスが新しくなった。

そうすると必ずあるのが自己紹介。


多分、いや確実に大元の原因はそこにあったんだ。

それに失敗したら、良くないイメージが新学期早々、クラス全員からついてしまうものだ。


今回、私が『バカ真面目』『お固い子』とレッテルを貼られたように。



 

『立花さんて固いよね』

『ちょっと真面目すぎて無理』



今日の放課後の部活が終わって、忘れ物を取りに教室に戻った時だった。


クラスの中心的な女の子たちが、教室で笑ってた。

楽しそうに、ケラケラと。







「はぁ…」


帰り道、なんとなく家に帰りたくなくて、適当にぶらぶら歩く。

見上げた空は綺麗な夕焼けで、それが教室に差し込んでいた夕日を思い出すから嫌だった。






新しいクラスでの居心地の悪さは、例の自己紹介があった日から感じていた。



クラスが爆笑するような、面白いことを話す子

みんなの関心を引くようなことを話す子

ごく普通の自己紹介でも、暖かい拍手をされる子



そんな人たちの中で、いつもクラスの隅にいた自分が、同じような反応をもらえる筈がなかった。



無難に名前と好きなことなんかを話しただけ。

ただ見た目なのか何なのか、一瞬でクラスの空気がつまらなそうなものに変わった。





それだけならよかったけど、その日から数週間経つ頃には、完全にクラスで孤立した。


話しかけても適当に流されてしまったり明らかに冷たい目を向けられたり、無視されたこともあった。





でもだからって、他の子と仲良くはできなかった。



翼はもう浜田にはいないし、忍やマリン、悠飛ともクラスが離れたし。

ちょっと前まで話しかけてくれた後ろの席の子も離れてしまった。



だから、教室では大人しく自分の席に着いてるしかなかったんだ。

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作者名:彩織・小町 x他2人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年4月24日 13時

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