Episode13 ページ15
今日の戦闘も、戦死者は出なかった。
パラパラとたまたま読んていた哲学書のページをめくっていると、
パラレイドが起動し、あの物好きなハンドラーが繋いできたことを知らせる。
「戦隊各位、今日もお疲れさまでした」
「お疲れさまです、ハンドラー·ワン」
律儀に最初に応じてやっているシンとハンドラーのやり取りをBGMに再びページをめくる手を動かす。
戦隊長であるシンは報告書作成を含めた幾つかの書類仕事があり、執務室も兼ねて隊舎の中では一番広い個室を使っている。そこにみんなが集まっている感じだ。
全く相手にされていないのにシンにスリスリする猫にふっと微笑むと、まるで応えるようにみゃー、と鳴いた。
「猫……ですか?」
「あ、隊舎で飼ってんすよ。ちなみに拾ったのは俺っす。ここに配属されたばっかの頃に、戦車砲喰らって吹っ飛んだ家の前でみーみー鳴いてて。親とか兄弟はぺっちゃんこだったんすけどこいつだけ無事で。」
訪ねたハンドラーにダイヤが答える。そしてそれにセオやアンジュが補足して。
「で、何故かアンダーテイカーに一番懐いちゃったんだよね」
「全然じゃらしてもあげないし媚び媚びすりすりされてもおざなりに撫でてるだけなのにねえ」
「懐いてるっつうか、いいベッドだと思ってんじゃねぇのか。今だってそうだよありゃ」
「ああ。読書中は動かないからな。ではブラックドッグには絶対馴れないな、うるさいから」
「ひでぇ!てか理不尽だ!改善を要求するぞー!ブーブー!」
じゃれあうみんなを、微笑ましいとでも思ったのか、ハンドラーがクスリと笑う気配。
「名前は何というのですか?」
おそらく最初に気になるであろうその問いをかけるハンドラー。ふと思う。やっぱり気付いてない。
「クロ」
「シロ」
「ニケ」
「チビ」
「キティ」
「レマルク」
『··········だからその今読んでるの著者名で呼ぶのいくらなんでも適当すぎるからやめてよっていうか、何読んでるんだよほんっと趣味悪いなぁ………』
セオがtheてきとうに言ったシンに突っ込む。
「ええと·········たくさんいるのですか······?」
「話聞いてたの。一匹だよ」
おそらく混乱しているだろうハンドラーに助けを出す。
『足の先だけ白い黒猫なのよ。だから呼び名も黒で白で二毛。それで特に決まった名前も付けてないから、皆その時の気分で好きなように呼ぶの。』
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明理(プロフ) - 名前変換できるようにしてくださいぃぃぃぃ!お願いしますっ!!! (2022年1月13日 19時) (レス) @page3 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
わん、 - 名前変換できるようにしてくれると嬉しいです〜 (2021年11月29日 9時) (レス) id: 881e047310 (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - 86エイティシックスの小説はなかなかないので面白かったです!リクエストでシンとアイリスが幼児化(記憶無し)して可愛がられたり、逆に記憶ありで可愛がられてワタワタするのも見てみたいです!続きお待ちしております! (2021年10月12日 23時) (レス) id: 84abc4118b (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 86 エイティシックスの夢小説やっと見つけた!続きめっちゃ気になります!頑張って下さい! (2021年8月1日 8時) (レス) id: 69d7d22715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっふるもふもふ x他1人 | 作成日時:2021年5月5日 8時