突然すぎて ページ19
「え…」
あまりにも突然の事で身体に力も入らず
引っ張られる勢いのまま
staff Onlyと書かれたドアをするっと抜けてしまった
そのままボブっと包まれて強く抱きしめられる
まって。今、どういう状況？
頭が混乱してなにが起きてるのか理解できない
バッと離されて上を向くと
そこにはさっきまでステージの上にいた汐恩がいて
…これは夢なのか？と疑った
汐恩『A！会いたかった』
ニコニコと嬉しそうに私を見下ろす汐恩
「…ちょっと、まって。びっくり、した」
汐恩『いやそれは俺のセリフやわ！！
普通にファンの子に紛れて客席におるんやもん笑』
「だって、当たったから。」
汐恩『最後の席座った時に上から眺めとって気づいたわ。Aの事もっとはじめから気づいとったらもっとかっこつけたのに。言えや』
そう言いながら嬉しそうに私の頭を撫でる
「連絡取られへんねんもん言われへんやんか笑
…汐恩、デビューおめでとう。」
汐恩『ありがとう。夢に一歩近づいたわ』
「デビューする夢叶ったんちゃうん？笑」
汐恩『俺の夢デビューする事ちゃうから』
「…あ、スーパースターになる！やった？笑」
汐恩『おい笑 馬鹿にしてるやろ！』
久々に話すアイドル姿の汐恩は
私といた時の汐恩のままで
何も変わってなくて
それが、嬉しすぎて
ほっとして
目に涙が溜まっていく
汐恩『俺の夢は』
というと
頬を両手で優しく包んで
私の顔をのぞきこむ汐恩
お化粧して髪もしっかりセットしてる
私が知ってる汐恩史上1番カッコいい汐恩が
グッと近づいてきて
距離が近くて恥ずかしくて顔が真っ赤になる私
汐恩『Aを幸せにすること』
自信に満ち溢れたような笑顔で
まっすぐ私を見て
そんなことを言ってのける汐恩は
ほんとに、ほんっとうに、
「…ずるい。」
耳まで真っ赤になりながら私は汐恩を叩いて
汐恩の胸に顔を埋めた
汐恩『…そんな照れんなや』
という汐恩も少し顔が赤くなっていた
staff『…鶴房汐恩く〜ん！！…』
遠くからスタッフの声が聞こえてきて
汐恩がヤバ！と呟く
「汐恩、早く行かんと！スタッフさんに迷惑かけたらあかんし」
汐恩『そやな。今日はありがとうな！行くわ！』
またな
と言ってドアに向かおうとすると
汐恩『あっA』
呼び止められた
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luvchim(プロフ) - 初めまして。結末を知っていても、何度読んでも涙で前に進めません。とっても良いお話をありがとうございます。何度も読み直してます。大好きなお話の一つになりました。ありがとうございます！！ (2021年1月19日 16時) (
レス) id: 1634567e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：s.a.o | 作成日時：2020年4月2日 2時
