失態 ページ30
そんな私を見て汐恩は
はぁ〜〜。
と深いため息を吐いた
「ここって…」
汐恩『…俺の部屋』
…え？！？
汐恩の部屋？！！
「なんで？！バレたらあかんのじゃなかったん？」
汐恩『うん。それだけは避けたい』
「じゃあなんでーーーー
汐恩『もーこれから男の前でお酒飲むな』
え？
お酒？
…あ、
そういえば昨日莉子に無理やり飲まされて…
…？
あれ？そのあとどーしたんだっけ？
「…あかん、ぜんぜん思い出されへん」
汐恩『…ありえへんわほんま』
呆れたように言い放つとキッチンの方へ行ってしまった
汐恩『洗面所とか風呂勝手に使っていいから。
とりあえず入ってこい、あっち』
そういうとキッチンから洗面所の方を指差した
「…はい。」
シャワーを浴びて出ると
汐恩のパーカーとスエットを用意して置いてくれていた
私が着るとダボダボだなー
わ、汐恩の匂いする…
なんか、彼女っぽくて
嬉しくなってつい頬が緩んだ
歯磨きをしながら
昨日の事を思い出そうとしても全く思い出せない
あーー、何したの自分。
思い出そうと考えれば考える程頭が痛くなってくる
頭をおさえながら部屋に戻ると
ん。と汐恩は視線だけで
テーブルの方に誘導される
ちょこんと座ると汐恩がやってきて
お洒落なモノクロのテーブルに
大きめのティーカップを置いた
ほんのりとゆずの香りがする
「いい匂い」
汐恩『ん、飲み』
「…わ、おいしい…！」
美味しすぎてつい笑顔が溢れる
汐恩『知ってる』
ドヤ顔で言うと
私にそのままぎゅーっとくっついてきた
汐恩『俺のパーカーはやっぱ大きすぎたな』
「うん。なんか汐恩に包まれてるみたい」
汐恩『今包まれてるやん、実物に笑』
「そうやけどさ笑」
汐恩と部屋でこうしてゆっくり出来るなんて、夢みたいだなぁ
嬉しくてまた頬が緩んだ
汐恩『それにしても昨日のA酷かったわ』
「…そんなに？」
汐恩『Aおんぶして家帰るのほんまにきつかった』
「……ごめん笑」
汐恩『ずっとなんか歌ってるし上機嫌なんかな思っとったら急に泣きはじめるし』
それから事細かに昨日の話を聞いて
サーっと血の気が引いた
汐恩『…まぁ、可愛かったけど。』
ボソッと呟いた汐恩の顔が少し赤くなっていた
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luvchim(プロフ) - 初めまして。結末を知っていても、何度読んでも涙で前に進めません。とっても良いお話をありがとうございます。何度も読み直してます。大好きなお話の一つになりました。ありがとうございます！！ (2021年1月19日 16時) (
レス) id: 1634567e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：s.a.o | 作成日時：2020年4月2日 2時
