史上最強で“最弱無敗”の本丸【刀剣乱舞】

強くあれ ページ29

sideA

どれだけ、
死にたいと思ったか..

どれだけ...死んだほうが楽だと思った事か



どれだけ......一人で泣いた事か



もう何もかも分からなくて
何も、世界が色付くことはなくて


二度と、家族に会えない事が...辛くて
過去を変えたいと、思ったんだ









何度も、手首を切った
何度も..腹を刺した

何度も、何度も.....消えたいと思った









なのに、どうしてお前らは
.....それを許してくれないんだ









鶯丸「やめろ！」



あの後..目覚めたら加州が居なくなっていた
三日月達も消えたから..チャンスだと思った俺は
懐に入れていたカッターで手首を深く切った
それでも死ねないから何度も刺していたら見つかった




厄介な鶯丸に..

鶯丸「今すぐそれを離せ」

アイツは鍛刀部屋の入口に立ち俺を睨んで言う
無視して、刺そうとすれば手元を弾かれる

その衝撃で奥まで飛んたカッターの音を
俺は無情にも聞いていた

『...』

あーあ..また、無理だった

鶯丸「いい加減、やめてくれ」

鶯丸は俺の傷に霊力を注ぎ、傷口を塞いでいく
これだ。だから俺は死ねないんだ




『...邪魔、するなよ』




ボソッと言った言葉に、けれど鶯丸は答えた

鶯丸「邪魔するさ...何度でも」









『....俺を苦しめて、楽しいか』






鶯丸「そのままキミに返そう」






『..早く、後を......追わせてくれ』







鶯丸「..追わせない」





鶯丸の言葉が、まだ残っている俺の心に
しっかりと突き刺さる









鶯丸「主...もっと強くあれ。悲しみも、憎しみも..全てを超えて、それでも.....前を向いて進めるほどに」









無理だと、すぐ悟った
俺の守りたい家族は...もう消えたのだ
会えないんだ。いくら捜したって呼んだって

あの家に帰っても
もう...アイツらはいない









鶯丸「.........何度も立ち止まって良い、その度に貴方の前を歩き、道を切り開くのが俺達刀剣男士の役目だ」









傷口が、もうほとんど消えていく









鶯丸「世界は綺麗だと、俺達に教えてくれたのは貴方だろう」





『...』






鶯丸「政府から、主も、大切な人達も奪われ、もう生きている価値すら見出す事がままならなかった俺達の元に現れた貴方が言った言葉だ。“世界は輝いている。色々な色に溢れてる。お前らの瞳に、この世は何色に見える？”..無色と答えた俺達に、貴方は言った。ならば俺と色を付けていこう、と...その約束は、今も勿論..健在だろう？」

世界の色→←小さい背中

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