奪われた主 ページ13
三日月side
それから数週間、俺達は主の家に世話になった
楽しい日々だった
それが奪われたのは、一ヶ月が過ぎた日曜日
いつも通りの静かな朝に
望まぬ来訪者が訪れた
俺達は2階で眠っていたが、佳菜の悲鳴で目が覚めた
全員、本体を持ち慌てて下へ降りる
リビングには皿が散乱し、佳菜が隼颯を抱えて
立ち竦んでいた
その前には、主が地面に伏せていた
『っ...』
そして、主の下にはこの場にそぐわぬ顔をして
安らかに眠る幼子
『良かっ.....間に、合っ』
主からは血が出ていた
岩融「主！」
『来るな！！』
駆け出そうとした足を止めた主の怒声
俺達は主しか見てなかった
その前には政府の人間が数人いた
そして、その手には血に塗れた小さな刀
言わなくても、先程起きた事が理解できた
それと同時にとてつもない怒りがこみ上げる
『...手は、出すなよ......お前ら』
主はふらふらと立ち上がり、
政府の奴等の前に立った
『家族と..アイツらには、手を出すな。それが、条件だ』
話す主の脇腹からは血が滲んでいる
どうして...どうしてこうなったんだ？
俺達が寝ている間に、何があった
政府の奴等はそれを聞くと、主を乱暴に連れ出した
隼颯「パパ！！」
瞳に涙を浮かべた隼颯が佳菜の腕から抜け出し、主へ駆けていく
それを見た主は叫んだ
『石切丸！！』
石切丸は隼颯の腕を掴んで引き寄せ止める
しかし、その顔は苦痛に歪んでいた
石切丸とて、今すぐ主を助けたいのだ
だが、主が言霊を使っている為俺達は動けない
『隼颯....ママと、妹を頼むな』
隼颯「パ..パぁ！やぁだ！やぁ..パパ、やぁだ！」
石切丸は泣きわめく隼颯を抱きしめた
政府「行くぞ」
主はどうして攫われる...？
どうして、あんな乱暴に..連れて行かれるんだ
どうして
「ど..うして」
呟いた言葉はバタンと閉じた扉の向こうへ行った主には届かなかった
残されたのは、微かに聞こえる佳菜の嗚咽と
泣きわめく隼颯の声だけだった
俺達は何も出来なかった自分達の無力差に
唇を噛み締めた
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月夜 - 見ながら涙目になってました。結構心に響く。誰も悪くないのにみんな悪いみたいな。語彙がなくてすみません。 (2020年1月1日 17時) (
レス) id: 7ad76e25a2 (このIDを非表示/違反報告)
雨桜狐(プロフ) - これは・・・・夢主君が悪いのか刀剣男子が悪いのか・・・よくわからんなぁ・・・けど、すごい感動する話でした。 (2019年5月10日 0時) (レス) id: 685a53fe80 (このIDを非表示/違反報告)
夜霧 - 「自分で自分を傷付けるのはやめてくれ」の最後に「………………………主(名前でもいい)」の方が個人的(←ここ重要)には感動します………((なんか上から目線でごめんなさい (2018年9月14日 20時) (レス) id: aa64b13255 (このIDを非表示/違反報告)
夢妖怪ヨノ - 続きがめちゃめちゃ楽しみです。これからも更新頑張ってください。 (2018年4月7日 10時) (レス) id: 8fd0d4af4f (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 性別を間違えた女さん» おおおおおおおおおおおお！？はい、落ち着いて良かったですｗｗ ありがとうございます！頑張ります！ (2017年12月30日 19時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2017年11月9日 17時
