小さな絆が知っている。

本気のジャンケン ページ21

「じゃあ、行くぞ････」

ゴクリ、と唾をのむ若武と小塚くん。
ふわり、と微笑みながらも闘志を燃やす翼と黒木君。
ニヤッと笑う上杉君と忍。

みんな、見事に表情が分かれていた。

そ、そこまで本気にならなくても。
私を家に送るジャンケンだよ？
どこに、本気になる意味があるの？

「ジャンケン、ポン！」

黒木君と若武がグー、残りのみんながチョキで２人の勝ち！

「うっしゃあ！」
「護衛は任せて、姫」

ガッツポーズする若武に、ウインクする黒木君。

はぁ、護衛って、そんなに楽しみ？
あ、そうか、若武って目立つの大好きだっけ。
あれ、でも、他のみんな....忍はそうでもないかぁ。
なんで残念そうなんだろ？

うーん....。男の子って、謎。

「行こうぜ、アーヤ」

若武に手をひかれ、お店の外へ出る。

「よっし、帰るぞ！」

腰に手を当てる若武。
黒木君は、横でくすくす笑っていた。

はいはい、帰りましょう。

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