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「えっ?」
誰かに手を掴まれ、慌てて振り向く。そこには背が高く、黒いニット帽を被り緑色の瞳をした男の人が立っていた。
突然の事に私は言葉を失った。
目と目が合う。逸らしてしまいたいのに、私は何故か目が離せなかった。目つきは悪いし、目の下に隈が出来ている。それなのに奥には優しさがあるような気がした。
「おい」
ニット帽の彼が話しかけてきてふと我に帰る。
「あ、はい!」
それにしても一体何のようだというのだろうか。出来れば今掴んでいる腕を早く話して欲しいし、暗くなる前に友達に電話したい。
「これを使え」
そう言って差し出してきたのは黒い無地の傘だった。
私は一瞬理解できなかったが、直ぐにこの人のしたい事が分かった。
「傘、貸してくれるんですか?」
まぁ、この状況ではこれしかありえないだろう。
「あぁ、だから早く受け取れ」
ていうかこの人のさっきからずっと上から目線だな。そう思いながらも有難く傘を受け取ろうする。その時私の中にある疑問が思い浮かんだ。
「貴方はどうするんですか?」
「は?」
「いや、だから貴方は傘必要ないんですか。って聞いているんですけど……」
いやだってこの雨だし風も強くなっている。それに借りたとしても返せないし。
ニット帽の彼を見ると呆れたような顔をしていた。
「俺は別にいいから使え」
「ええ、でも……」
痺れを切らしたのか彼はイラつきながらとんでもないことを言った。
「じゃあ俺が送っていく」
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とうふ娘(プロフ) - シェラさん» コメントありがとうございます。続きが気になるなんて嬉しいです!更新遅くてすみません。これからも亀更新になるかもしれませんが、頑張ります。 (2017年3月26日 23時) (レス) id: d7ad53d811 (このIDを非表示/違反報告)
シェラ - とっても面白かったです。続きがとても気になります!更新頑張って下さい(●^o^●)応援してます! (2017年3月23日 13時) (レス) id: 5029201a39 (このIDを非表示/違反報告)
りいあ(プロフ) - そうなんですよ(涙)ありがとうございます! (2017年1月30日 18時) (レス) id: b47f4aff1e (このIDを非表示/違反報告)
とうふ娘(プロフ) - りいあさん» わわっ!受験生さんですか!?りいあさんこそ頑張ってくださいね! (2017年1月30日 15時) (レス) id: d7ad53d811 (このIDを非表示/違反報告)
りいあ(プロフ) - 全然大丈夫です!うちも受験生なのでwテスト頑張ってください! (2017年1月29日 14時) (レス) id: b47f4aff1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とうふ娘 | 作成日時:2017年1月17日 21時