コミュ障の鬼殺隊士は誤解と冷や汗を撒き散らしながら今日も往く。 (ページ39)

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勘違い33個ページ39

「炭治郎…なぁ炭治郎ぉ…守ってくれるよな？俺を。守ってくれるよな？」

こちらはもう本当に情けないくらい怯えきっている。いや情けないのは最初からだったっけ…？

うだうだうるさい善逸に炭治郎くんは助が折れたまま来たと告げる。

ほあぇぇぇ？？？！！！！炭治郎くん助折れてるのにきちゃったのぉぉぉ？？！！！えっそれ大丈夫？大丈夫なの？

普通助が折れたら普通に生活するのも痛いはずなんですけどね？！

これは多分我慢してる…気がする。うん、どんなに痛覚が鈍くても助が折れてるって自覚してるなら辛いはずですよね。

……本当は、物凄く怖いけど…

『私今から別行動しますぅ。君たちよりはずっっと強いつもりですしぃ、被害者が複数居そうな気配です。さっさと終わらせないと怒られちゃいますしぃ……』

あっほんと素直じゃない。なんで口から出る言葉の全てが棘をまとって生まれ落ちるんでしょう。私の口から出る言葉は触れる物全てを傷付ける…Guilty…

「君が強いのは…まぁ、目の前で見た事があるから知っているが……でも本当に大丈夫か？さっきからその、凄く怯えているようだし……」

炭治郎くんはこちらを伏し目がちに見て気遣ってくれている。ほんと君いい子ですね？もしくはスルースキルが半端じゃないですね？

『ばっ、ばばば、ばっかじゃないですかぁ？私が怖がる訳ないじゃないですかぁ〜。』

そういえば見透かされてるんでしたっけ。すっかり忘れてました。

「そうだよぉ〜Aちゃんも一緒じゃないと守れないじゃんかよぉ〜！！ねぇ〜〜！！！」

守るという単語についつい少しきゅんとしてしまいながらも私はそれを断る。

『私情なんてどうでもいいんですよ。優先すべきはいち早い事件の解決と鬼の滅殺です。』

未だ心配そうにこちらを見遣る2人の視線を振り切るようにそっぽを向いて片手をあげ、『それじゃもう行くのでぇ〜』というと気をつけてね…としょげかえった顔で善逸が見送ってくれた。

なんだかんだ可愛いんですよね、やることが。大型犬でも飼っている気分です。

……さて。物凄く怖くてたまらないけれどこの屋敷にはそれなりに鬼がいる。

鼓を叩いていたのが多分主犯だとして仲間かどうかはさておきあと2…いや3？くらい鬼の気配がする。鬼は群れないはずだから餌場を荒らしにきたんですかねぇ…