コミュ障の鬼殺隊士は誤解と冷や汗を撒き散らしながら今日も往く。 (ページ22)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:123,869 hit

勘違い19個ページ22

『そういえば今どこに向かっているんですか？』

「ここからならお前の生家と俺の生家、どちらでもいい。それとも蝶屋敷か詰所の方が良かったか？」

『ご冗談を。私の家でお願いします。もう、私があそこ嫌いだって知っているのに……』

私は兄様の家か私の家か一瞬迷って自らの家を選択した。

兄様は普段任務でご多忙だから家が特段散らかっている訳では無いけれどホコリ被っていてもおかしくはない。

もしかしたらお掃除の人を雇っているかもしれないがあまり他人を家にあげるのを好まない人であるし、いない可能性の方が高い。

それにここからの距離がそう変わらないなら確定ですぐ休める自分の家の方がいいだろう。

ちなみに蝶屋敷や詰所を最初から候補に入れてなかったのは苦手だからだ。

蝶屋敷は普通に治療が痛いのととある任務でやらかしてしまった蟲柱・胡蝶しのぶがいるからだ。

あれは嫌な事件だった。煽りとツンデレが融合するとあぁなるのかって感じ。

詰所は……普通に悪意に満ちていて嫌だ。

あそこは私のことを嫌う人が多すぎる。私は、普段の鍛錬では鬼の頸を斬る腕力もなく、蟲柱のように毒を使う訳でも無い。

私の実力に疑念を抱くものやただ単に私の普段の言動から嫌う人もいる。後者に至っては完全に私が悪いのですけどね。あとは少ないですけど異国人との混血児の差別とか。

もしくは妬みとか。あぁやだやだ。

あぁ、あともうひとつ。私が兄様にだけはツンツンした態度をとらないから。

どうやら水柱である兄様に媚を売っていると思われているようだ。他人に兄妹のとやかくを言われたくはないが周りから見たら私達は全然似ていない。

私は金髪だし兄様とは名字も違いますから。ここに来るまでは全然気にもとめてなかったんですけど割とよく周りに言われます。

別に兄妹であることを隠してはいないが公表している訳でもない。口数の少ない兄様がわざわざ口にすることでもないし、口下手な私が伝えられる訳でもない。

よって周りからは完全に上の男に媚を売る部下に辛辣な実力のない女の子供だと思われている。我ながら最悪である。

ちなみに私が兄様につんつんしてないのは、兄様と暮らしていた頃はつんつんしてなかったからです。別に猫被ってるとかじゃないですよ。