堕ちないあなたをオトします！！【うらたぬき】

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「え？」



驚いてAの顔を見ると、向こうもこちらを驚いた顔で見ていた。



「...何だよ。」


「いや...別に？」



Aはすぐに顔を背けたけど、若干口角が上がっている。...ますます怪しいんだが。



「はい、質問の答え！！どうぞ？」


「はぁ...。」



話題を変えて来やがった。しかし、そこにつっこむ気力もない。



「..多分、傘になんかいれてねーよ。」


「え。」


「噂されたら面倒だろ。だから入れてやんない。」


「...じゃあ、何で...。」



呆気にとられたかのようなAの声。ここで俺に、ささやかなイタズラ心が芽生えた。



「...分かってんだろ？今なら、噂されてもいいって言ってんの。」



囁くようにそう言えば、Aは俺から飛ぶように離れた。



「...な！......なん....！」



頬を染め、口をパクパクさせるAに雨が滴る。



「...ていうのは冗談。あれ？どうしたのー。もしかして、お前って男に耐性無いの？」



我ながらうざい。



「はぁ！？別に耐性ありまくりだし！そっちこそ、『生徒会長だから。』なんて、格好つけた嘘つかないでよ！」



見事に挑発に乗ってくれるA。顔を真っ赤にさせて言われてもなぁ、説得力のかけらもない。



「バァーカ。」


「うっざぁぁぁぁああああ！」



雨音を吹き飛ばすようなAの声が、空に響いた。









「ねぇうらた。からかった罰としてアイス奢ってよ。」


「え？俺傘に入れてあげてるんだよ？普通アイス奢るのそっちでしょ。
はい、アイス奢って？」


「...う、うううぅぅぅぅぅぅ....。」

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